留学

衝撃的に英語がわからず撃沈

自分はそこそこ英語ができると思っていた

本気で留学を夢見てまる3年経ち、初めてイギリスの地を踏んだのは2012年9月10日。

自分の母校熊本大学には交換留学制度というものがあり、

海外の大学に1年間留学できる制度がある。

学費は熊本大学の授業料1年分で、リーズ大学に1年留学することができてとってもお得。

もちろん学内選考があるし、IELTSという語学試験で基準とされる点数を獲得しなければいけない。

幸いにして、自分は留学生達と交流する機会があったし、

今までも英語でコミュニケーションをとる機会があったから、試験自体は問題なかった。

正直、自分は日本人にしては英語ができる方だし、

現地に行けばある程度はしゃべったり、話を理解することができるだろう

と思っていた。

そして、

大まかな駅名と、寮の住所さえあれば、

あとは現地で路線図を見れば簡単にたどり着くだろうと思っていた。

だが、これが大きな間違いだった。

イギリス英語(accent)との出会い

この時初めてイギリス英語がどんなものかと知った。

正直今となってはヒースロー空港に到着した瞬間は覚えていない。

なんとなく、

入国審査の時に、リーズ大学からの書類を見せたりしたような気がするが、

本当に何も覚えていない。

けれども、

Heathrow空港からKing`s Crossまで行くTubeのアナウンスが全く理解できなかったこと

はすごく衝撃的で、今でもはっきりと覚えている。

今ロンドンの地下鉄路線のマップを見れば、

Heathrow空港からKing`s Cross駅までは乗り換えなしで行けるのが明らかにわかる。

だが、初めて乗ったTubeの車中で聞いたアナウンスから、

trouble“、”change the train

というphraseが聞こえたきがしてから、完全にパニックになった。

電車を乗り換えないとと思い、次の駅で降りたはいいけど、

何番線の電車に乗ればいいのか全く分からない。

Tubeの駅は場所によってはいくつものプラットフォームがあって、

しかも乗る電車によって行先が違う。

Edgeware Road行きの電車が来るといわれても、

Edgeware Road駅がどこにあるのか知らないと、地図で調べることすらできない。

どの電車ならKing`s Cross駅に行くのか、

調べる間もなく電車が次から次へと出発してしまうのだ。

じゃあ、

どの電車に乗ればよいか聞けばいいじゃないか

という話がだ、これができないのだ。

コミュニケーションが全くと言っていいほどできない。

なぜかというと、

何て言われたか全く理解できなかったから。

近くにいた優しそうな初老のおばあさんが親切に何か話しかけてくれて、

しぐさで反対側のプラットフォームを指さしてくれたのだが、

何ていってるのか全く理解できない。

そこで初めて気が付いたのは、

”ここで話されている言葉は、

自分が知っている英語と違う”

ということ。

それまで、自分は英語がそこそこ聞き取れると思っていた。

BBCとかのニュースもなんとなく聞き取れたし、

アメリカ人の留学生が言っていることもある程度は理解できたから。

だが、自分は今、全く英語が理解できないのだということに衝撃を受けた。

そう、この時初めて、英語にはaccentの壁があることを知ったのだった。

これからイギリスに留学に行く人は、

是非ともHeathrow空港からの移動手段について下調べしておくことをお勧めする。

ロンドンに住んでいた時に思ったのが、

ロンドンの地下鉄、バス含め、

公共交通機関は運休したり、経路を途中で突然変えるということが、

意外と頻繁にあるということだ。

日本の電車やバスがいかに正確に運行されているのかと改めて関心する。

実際にどう下調べや準備をしたらいいかは、別の記事で提案したいと思う。

A return ticketは帰りの切符ではない

何とかKing’s Cross駅に到着し、Leeds行の電車の切符を買うことができた。

電車に乗ると、座席の背もたれにハガキのような紙が挟まれている。

それが何を意味するのか良く分からないが、

どんどんと人が乗ってきたので、荷物置きにスーツケースを置いて、空いている席に座った。

ところが、後から来た乗客に声を掛けられた。

何て言ってるのか良く分からないけど、どうやらここは指定席だったようだ。

“I`m sorry.” と一言伝え、席を譲る。

既に他の席は全て埋まってしまっていて、リーズにつくまでずっと通路に立って到着を待った。

ロンドンからリーズまで電車で約2時間。

飛行機に12時間近く乗り、初めてのロンドンで良く分からないままあたふたして、疲れもたまってきた。

席を指定できるんだったら、指定席にしても座りたい気分だった。

だけど、思い返してみれば、

窓口で指定席を予約するためには、何て言えばいいのか検討が付かなかった。

日本にいたときは、留学生の友達と英語で話すことはあっても、

電車の窓口で切符を買う練習なんてしたこともなかったから、

何て言えば良いのか分からなかった。

今でなら、

片道切符はa one-way ticketだし、

往復切符はa return ticketだと知っている。

けど、当時の自分は

窓口で “Do you wanna buy a return ticket?”

と言われても、

a return ticketは帰りの切符の事だと勘違いしていた。

”いや違う違う、リーズに行く片道の切符が欲しいんだ”

ということを、いかに窓口のおじさんに伝えるかで必死だった。

もちろん指定席を予約したいなんて高等な英語なんてすぐに出てこない。

もし、片道の指定席を予約したいならば、

”I`d like to have a one-way ticket to Leeds, and make a reservation for a passenger seat, please.”

とか、もっと単純に

“A one-way ticket to Leeds and reserve a seat, please. “

でも十分伝わると思う。

地図上にない住所を探すハメに

ようやくLeeds駅に到着し、

後は学生寮のCentral Villageに行くだけというところまで何とかたどり着いた。

Central Villageの住所も控えているし、タクシーを捕まえさえすれば一安心。

Leeds駅のどこにタクシー乗り場があるのかは、もちろん事前に調べてなんかいなかった。

だが、ここは何とも幸運にもすぐにタクシーを捕まえることができた。

タクシーのおじちゃんがインド人だったのは今でもよく覚えている。

なぜなら、このおじちゃんの話す言葉は、電車の中で聞いた英語とは全く別のアクセントだったからだ。

こう一日も何度も違うアクセントに出会うとは夢にも思わなかった。

もちろん何て言っているのか分からない。

ただ、どうもおじちゃんの様子がおかしい。

首を横に振っている。

え、もしかして、この寮がどこにあるのか知らない?

断片的に聞き取れた内容だと、

”この寮は新しくできたばっかりで、まだ地図にも乗ってないし、自分もこの寮までお客さんを乗せたことがない”

という内容だった。

。。。

ちなみに、イギリスの住所は日本のと違って、道路の名前で記されることが多い。

例えば、

Central Village, Woodhouse Lane, Leeds, LS2 3AB

みたいな感じ。

ただ、このWoodhouse Lane、直線距離で1km以上ある。

しかも、大体の位置を把握するための、

LS2 3AB

という郵便番号は、新築の建物の場合は郵便局に登録されておらず、

ネットで検索しても出てこない。

つまり、住所をもってたところで全くの無意味。

もちろんのことだが、自分は寮が地図の上でどのあたりにあるかを印刷した紙など準備していない。

熊本の9月は非常に蒸し暑かったが、Leedsの9月はもう冬に近い。

しかも、外は雨が降っている。

傘なんてもちろん持ってないし、スーツケースと大きなバックパックも背負っている。

時刻は夜の9時で位。

一人で歩いて探す気力もないし、そもそもどんな外観かも知らない寮を通りの名前だけを頼りに1キロも歩いて探せない。(しかも、坂道)

。。。

詰んだ。。。

。。。

自分が絶望に暮れていたところを、運転手のおじちゃんは気持ちを察してくれたのだろうか。

運転しながら無線で他のドライバーと情報をやり取りしてくれて、

Woodhouse Laneをゆっくり探しながら運転してくれたのだ!!!

そんなこんなでグルグル運転してくれて、しばらくすると、

”多分この辺りにあるはずだとは思う”

と言っておろしてくれた。

暗くてよく見えないが、確かに看板にCentral Villageって書いてある!

そこには10階建て近いビルが3棟建っていた。

おじちゃんにお礼を言い、ビルの方へ歩いていったが、予想以上に肌寒かったのを今でも覚えている。

蒸し暑い熊本から、突然冬の気候に放りだされた気分だった。

飛行機にずっと乗り続け、

英語が分からず、

寮の場所にも迷って、

降り注ぐ雨に濡れて、

重いスーツケースを引きずって。。。

3つのビルのうち、どれが自分の寮なのか分からなかったが、

とりあえず1階部が一番明るい建物に行くとそこに看守のおじちゃんがいたので建物に入れてもらった。

今となってはかすかな記憶になってしまったが、建物の中に入った瞬間感動した。

暖かかったし、何より嗅いだことのない良いにおいがした。

この匂いは日本では嗅いだことのない匂いなのだが、

イギリスの学生寮が綺麗な時のものなのだ。

ただ、この匂いも、後程どんどんと”臭い”に変化していくこととなる。

夜の9時、今は時間外だから入寮できない

ようやく寮につき安心したのもつかの間、衝撃の事実が発覚した。

看守のおじちゃんに、自分の寮に入りたい旨を告げると、

“もう時間外だし、担当がいないから今日は寮に入れないよ”

はっ????!!!

いや、意味わかんないし!

日本からどんだけ大変な思いしたと思ってんだよ!

ってか、雨に濡れてさみーし!

ってか、事前にメールで問い合わせたら、24時間チェックインできますって言われたんよ!

って色々言いたかったけど、なんせこれらを英語で伝えることができない。

万が一のために、

入国審査用に大学からのメールをいくつか印刷していて、

その中に入寮時間について書かれたメールの内容も印刷されていることを思いだした。

それを取り出しておじちゃんに見せたら、しばらく考えてから

”じゃあ、部屋に入れてはあげるけど、鍵は渡せないから明日取りにきて”

みたいなこと言われた。

これに関しては、本当に紙を用意しておいてよかったと思った。

そして案内された部屋がこちら。

布団がなくて、悲しかったけど、

とにかく部屋に入れたことと、

一応マットレスがすでにあること、

そして何より新しい部屋の匂いがイギリスに来たんだっていう高揚感をもたらした。

もう嬉しすぎて窓から写真を撮ったのがこちら

何が映ってるのか良く分からなかったけど、

とにかく日本と全く違う風景なのと、

一人でここまでたどり着いた嬉しさでいっぱいだった。

その後暖かいシャワー(シャンプーやボディーソープなんてないのでお湯だけ)を浴びて、

来ていた濡れたコートを掛け布団替わりにマットレスの上に寝転がった。

時差ボケで寝れないと思っていたけれど、

やっぱり体は疲れていたのか、

気が付いたらいつの間にか深い眠りについていた。

まとめ

  • イギリスには独特のアクセントがあって、アメリカ英語と全く違う
  • 移動手段の事前に下調べ、準備をしよう
  • 片道切符は a one-way ticket、往復切符は a return ticket
  • 大学関係の書類は印刷して、寮の場所は地図でもプリントアウトする
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ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。