Royalty Pharma

片頭痛治療薬からみるRoyalty Pharma (ロイヤリティファーマ)のすごさ

Biohaven (バイオヘブン)とは

そこで、”しっかりと片頭痛に効いて、しかも重大な副作用を起こしにくい”片頭痛薬の需要が生まれるわけですが、その開発に成功したのがBiohaven (バイオヘブン)です。

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)という物質を標的にした、新しい片頭痛薬がNurtec ODTやZavegepantです。

これらの薬には脳や心臓の血管を収縮させる作用はなく、痛みの原因(三叉神経のCGRP受容体)にピンポイントで効果を発揮します。

なので、片頭痛に対する効果を期待しつつ、重大な副作用を起こしにくい。

頭痛の診療ガイドライン 2021でも

“トリプタンの副作用を補完する有望な薬剤として開発されてきた”

(引用:頭痛の診療ガイドライン 2021,p138)

とされています。

Biohavenは新しい片頭痛の治療薬に大きなマーケットがあることを見出し、遂に新薬開発を成功さたのです。

ところで、新薬開発がいかにリスキーかは以前の記事で解説しました。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性②ー米国議会予算局報告書から読み解く 前編ー *最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投資...

そう、臨床試験にたどり着いた薬のうちの約88%は失敗するほど、新薬開発というのはギャンブル性が高いです。

実はBiohavenは創業2013年、IOP (新規株式公開)は2017年に果たしたばかりの比較的歴史の浅いベンチャー企業で、創業間もない時期から新薬開発のための莫大な資金が必要でした。

そんな当時、この会社の開発段階の新薬に将来性を見出し、資金を提供し、そして片頭痛薬の新薬開発に大きな役割を果たしたのがRoyalty Pharma でした。

次のページではBiohaven と Royalty Pharma との関係について紹介です。

1 2 3 4 5 6 7 8
ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。