Royalty Pharma

片頭痛治療薬からみるRoyalty Pharma (ロイヤリティファーマ)のすごさ

投資リターンの高さ

では、Royalty Pharma による合計$760 million の投資はどれだけのリターンを生むのでしょうか?

その予想を示すのがこちらの図です。

(引用:Royalty Pharma Investor Day Presentation

2023年の前半までに合計$1385 million 受け取れる可能性が高く、それはもともとの投資金額の約1.8倍にもなります。このうち$475 million は zavegepant が今後承認された場合に受け取れる金額ではありますが、個人的にはほぼ間違いないと思っています。(第三相臨床試験の結果が良かったですし、新薬申請がFDAに受理されています。承認されるかの結果は2023年の前半に結果が出る予定です。)

先程Royalty Pharma はBiohavenの普通株を1株$45で受け取ったとありましたが、2022年9月26日時点でBiohavenの株価は1株当たり$151.76で、既に大きな利益を出しています。2023年の前半までに受け取れる可能性がある$1385 millionにはこの利益も含まれています。

既に1.8倍近くのリターンがほぼ確実なだけでなく、その後2034年~2036年頃まで毎年Nurtec ODT と zavegepant のロイヤルティ収入を見込むことができます。2023年の前半までに既に投資金額以上を回収し終えて、その後のロイヤリティ収入はほぼ全て利益と考えてよい状況です。

しかも恐ろしいのが、このロイヤルティ収入の増加するスピードです。

(引用:Royalty Pharma Investor Day Presentation

2021年、Nurtec ODT の売り上げは$463 millionで、Royalty Pharma は$8 million ($1=140円で約11億円)のロイヤルティを受け取りました。ただ、Nurtec ODT の売り上げは今後急上昇することが見込まれていて、2025年には$ 2177 million、その後は最大で$6 billion ($6000 million) を売り上げることが期待されています。Royalty Pharma が受け取れるロイヤルティは薬の売上高の何パーセントという計算の仕方なので、売上が増えれば増えるほど、どんどんともらえる金額が増えていきます。

大雑把な予想ですが、こんな感じです

2021年には約$8millionのロイヤルティを受け取りましたが、それが2025年頃までには約5倍の$40 millionになる可能性が高いです。そして、もしNurtec ODT が$6 billion ($6000 million) の売り上げを上げることができれば、$120 million ($1=140円で168億円)のロイヤルティ受け取りも可能性として十分あり得ます。しかも、もう既に投資元本は回収し終わった状態ですし、Royalty Pharma のランニングコスト(社員の給料等)は売上の約10%程度と非常に低いので、大きな利益を得ることができます。

次のページでPfizer による追い風について解説です。

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あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。