Royalty Pharma の株価が低迷する理由
最後に今回の本題である、Royalty Pharma の株価が低迷する理由です。
まず答えからですが、それは市場が見ている姿と本来のRoyalty Pharma の業績にギャップがあるからです。
基本的に投資家の多くはGAAP の結果で起業の業績を判断します。
そして、普通の投資家が見るGAAPの数字上ではRoyalty Pharma の純利益は右肩下がりです。
これだけみると、Royalty Pharma の業績が低迷しているようにみえます。しかも、Vertex が新薬を開発して、Royalty Pharma の収益が今後落ち込むかもしれないという”悪い”噂が出ています。
しかし、今回、Royalty Pharma の業績は、non-GAAPである”Adjusted Cash Receipts” と “Adjusted Cash Flow” で判断しなければいけない本当の理由を解説しました。
そして、これらの数値は良い方向に向かい始めていますし、今後2025年までは右肩上がりで上昇していくことがかなり高い確率で分かっています。
つまり市場がみている世界と、Royalty Pharma の本来の収益力の間にギャップ(差)が生じている状態です。
見かけと本来の姿の間になぜギャップがあるのかというのは、”Provision for changes in expected cash flows from financial royalty assets” の存在を理解しなければ分かりません。これは決算書をちゃんと読まないと出てこないですし、理解するには会計の知識が必要なため分かりにくいのです。
この、ギャップの存在もRoyalty Pharma の株価がさえない理由の一つだと思います。
ただ、考え方によってはチャンスであるとも言えます。
業績は今後さらに良くなることが分かっているのに、見かけ上の数字が悪いため注目されない。その間こそRoyalty Pharma という優良企業の一部を手に入れる良い機会だと私は考えます。
ウォーレンバフェットの師匠と言われるベンジャミングラハムはこう言いました。
株価というのは、短期的には人気で決まるものだ。しかし、長期的にみると、企業の価値によって決まるものだ。
“In the short term, the stock market is a voting machine; in the long term, its’s a weighing machine.”
Invent & Wander, Jeff Bezos Harvard Business Review Press, p52
長期的にみればどんどんと成長を続けることができる企業である。そういう思いがあったので、株価が右肩下がりの2021年、私はひたすらにこの企業の株式を買い増しました。
最後はまとめです。