住み始めて気付いた物件の問題点
後々分かってきたのですが、安いものにはそれなりの理由があって、この物件はいくつかの問題を抱えていました。
例としては
- 洗濯機がない
- 窓が窓として機能していないため、冬場のバスルームがとても寒い
- シャワーの水圧がとても弱い
- 真冬にボイラーが壊れて、1週間近くお湯がでなくなった
- 他の住人のテレビの音や音楽が夜中に聞こえてくる
- 冬が近づくとネズミが出る
- たまに帰宅する家主の息子が曲者
などがありました。
洗濯機がない
洗濯機はどの家にもあるものだと思い込んでいましたが、契約してから
”そういえば下見の時に洗濯機を見ていない”
ということに気がつきました。
もう契約してしまっていたため、時すでに遅し。
イギリスの洗濯機はキッチンについていることも多いのですが、自分の結んだ賃貸契約では家主用のキッチンは使えないことになっていて、洗濯機は使えませんでした。
家主のおじいちゃんに尋ねると、
”近くにコインランドリーがあるから、そこで洗濯してね。若いから良い筋トレになるよ”
と笑いながら言われたのを今でも覚えています。
ならば風呂場で水洗いをやろうと考えましたが、濡れた洗濯物を干すスペースがありません。あきらめて一番近くのコインランドリーに行きましたが、Kensingtonにあるコインランドリーは非常に割高(洗濯から乾燥まですると、1サイクルで£10ポンド近くかかる)で、休日休みだったり、夜6時には閉店してしまったので、非常に利用しにくかったです。
結局私は週に1度、1キロ近く離れたコインランドリーまで洗濯物を運んで、そこで洗濯していました。
今思うと当時の私、元気だったな。。。
やっぱり洗濯機はあるに越したことないです!
冬場のバスルームがとても寒い
窓が傾いて閉まらなかったり、窓ガラスがそもそも割れていたため、バスルームの中は外の空気と同じ温度でした。真冬になると、夜のロンドンは10℃以下になることもあり、隙間風が吹くとシャワーを浴びていても寒さを感じます。
シャワーの水圧がとても弱い
そもそもボイラーが古いので、シャワーの水圧がとても弱かったです。ひどい時はシャワーを浴びている時に突然止まってしまうこともあって、これに隙間風が加わると、かなり寒いです。
真冬にボイラーが壊れて、1週間近くお湯がでなくなった
これが一番つらかった。
12月のある日シャワーを浴びようと思ってシャワーを出したのですが、なかなか水が暖かくならない。おかしいなぁと思って、いったん部屋に戻って、しばらくすると家主のおじいちゃんが部屋まで来ました。
”ボイラーが壊れちゃったみたい。今修理を頼んでるけど、1週間位お湯がでないし、部屋の暖房も使えない”
と宣告されました。
最初は数日位シャワーを浴びなくてもいいかと思ったのですが、2日経つ頃には、頭がギトギトしてかなりべたべたしてきて気持ち悪くなってきました。友達に連絡してシャワーを借りようと思ったのですが、語学学校の友達はほとんどもう帰国してしまっていて、誰もいません。
シャワーの為だけにホテルに泊まるのももったいないですし、けれどもシャワーをどうしても浴びたいと思った結果取った行動は、
真冬の外気温の中で冷水のシャワーを浴びる
でした。
バスルームは真冬の外気と同じ温度で、水はもちろん冷水です。それでもシャワーを浴びたい欲が勝った瞬間でした。さすがにこの時は叫びながらシャワーを浴びました。超高速で頭と体を洗って、身体がぶるぶると震え、歯がガタガタとなる”本物のシバリング”を経験しました。その後温風のドライヤーを体全身に浴びて体を温めてたのは今でもいい思い出です。
他の住人のテレビの音や音楽が夜中に聞こえてくる
古い家のため、隙間が多く、他の住人の生活音が良く聞こえます。
家主のおじいちゃんが真夜中に瞑想するためのお経のサウンドトラックを流したり、週末に帰ってくる家主の息子が、クラブミュージックを大音量で真夜中に流したり、隣の部屋に住む住人が見るテレビの音が筒抜けだったり、今思えばカオスです。
特に隣の部屋とは、実はつながっていて、薄い木製のドアの真裏にテレビがあったので余計に音が響いてきました。
この扉は自分の部屋と隣の部屋をつなぐもので、普段は鍵がかかっています。相手がテレビをつければその音が聞こえてくるし、自分が風邪を引いて夜中に咳をすると相手を起こしてしまうことがありました。
冬が近づくとネズミが出る
ロンドンの至るところで目に付くネズミですが、冬になると目撃件数が増えます。寒い冬を越すために暖かい住処を探して古い家に住み着くのだそう。
これはウエンツ瑛士さんも同じ経験をされていましたね。
私の場合ネズミとの出会いは最初自分の部屋の中でした。
ある日、ものすごい速さで移動する黒い物体が存在することに気が付きました。部屋の中だと、何かが動いた気がするけれど、その方向を向いた時には既に何もいないという、ちょっぴりホラー体験でした。最初は大きな虫かと思っていたのですが、ある時ごみ袋の中からネズミがぽーーーーんって飛び出してきたのをたまたま目撃したことで、ネズミだったことを認識できました。
ネズミ自体は可愛いと思うのですが、問題なのはその糞です。
私が使っていた屋根裏の物置にある”キッチン”には、冷蔵庫の裏の壁に小さな穴があって、ネズミたちはそこから家を出たり入ったりしているようでした。まさにネズミの玄関。
そして、”キッチン”の床には無数の黒い粒状の物質が落ちていました。最初は何か分からなかったのですが、後々それら全てが糞であったことが判明しました。
床に散らばっていたのは、全てネズミの糞だったのか。それと同時にもう一つ納得したことがあります。引っ越してすぐの時、自分の部屋のタンスの中に大量のネズミ駆除剤が入っていました。もともとこの家はネズミの巣窟だったのだと気が付いた瞬間でした。
今まで私は、糞まみれの空間でずっと自炊したり、洗った食器を置いていたのか。
そう気が付いた途端、ちょっと悲しくなりました。
たまに帰宅する家主の息子が曲者
家主のおじいちゃんには40歳位の息子がいて、週末になると帰ってきました。彼は4階の1部屋で週末を過ごすのですが、結局彼と仲良くできなくて自分は退去しようと決意しました。
夜中に音楽を大音量でかけたり、酔っぱらって階段の踊り場を蹴飛ばして壁をボロボロにしたりであんまり関わりたくないなと思ってはいたのですが、決定打は私を中国人扱いしてからかってきたことです。
イギリス人から見たらアジア人はみんな中国人に見えるかもしれないけど、自分のことを日本人と知っていて、ふざけて中国人と呼んでくるのは、一種の人種差別だと感じました。(彼には昔日本人の彼女がいて、自分が日本人ということも知っていた。)
仲が良い友人にふざけて言われるのであれば冗談だと分かるのですが、彼は全くどんな人か知らない赤の他人でしたし。こっちは家賃を払って住んでいる訳で、嫌な思いをするためにこの家に住んでいる訳ではありませんので。。。
すぐに家主のおじいちゃんに苦情を言い、その後同じようなことは起こりませんでしたが、ボロボロの家で少し窮屈に思っていたところにこの出来事があったため、結局退去することにしました。
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