Royalty Pharma

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性ーその①ー

*最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投資家です。当サイトの使用及び閲覧は皆さんの自己責任でなされるもので、当ブログは本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。

こんにちは、あきふねです。

今回も医師が解説するRoyalty Pharma の魅力シリーズです!

前回の記事ではRoyalty Pharma (ロイヤリティファーマ) の薬のすごさについて解説しました。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の薬のすごさ-医者の視点でPaypal の創始者から学ぶ-Royalty Pharma のポートフォリオのラインアップがいかに素晴らしいか、医師の視点とビジネスの視点で紐解いていきます。...

今回は、Royalty Pharma の将来性をテーマに記事を書いていきます。

結論からお話すると、Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の目の前にはブルーオーシャンが広がっていて、4つの追い風(tailwind)が吹いている状態だと感じました!

この記事では、なぜRoylaty Pharma の目の前にブルーオーシャンが広がっているのか、そして、4つある追い風のうちの3つについて解説したいと思います。

Royalty Pharma の目の前に広がるブルーオーシャン

Royalty Pharma が特許権を持つ薬剤の多くは、“珍しくて、治らない病気”というのを前回解説しました。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の薬のすごさ-医者の視点でPaypal の創始者から学ぶ-Royalty Pharma のポートフォリオのラインアップがいかに素晴らしいか、医師の視点とビジネスの視点で紐解いていきます。...

では、今現在で“珍しくて、治らない病気”というのはどれくらい存在するでしょうか?

これについてNORD(The National Organization for Rare Disorders)というアメリカの非営利団体が情報を提供しています。

NORD (The National Organization for Rare Disorders)
(引用:NORD’s Rare Disease Fact Sheet

この団体の情報によると、その患者数は、アメリカ国内だけでも2.5千万~3千万人(約10人に1人の割合)というのです。

Rare diseases (稀な病気)という割には、以外にも患者数は多いのです。

治療を必要としている人は沢山いるのに、治療が確立していない疾患が沢山あるというのが、現代の医療の現状です。

これについてRoyalty Pharmaの2021年度のAnnual letter (年間報告書) で次のように記されています。

「私たちはバイオ医薬の業界全体におけるイノベーションにアクセスすることができます。我々のアプローチの方法は、まず、現段階で満たされていなくて、非常に重要な医療のニーズに関係する、革新的な科学技術が何かを吟味します。その次に、我々が魅力的だと思う治療法(薬)に関するロイヤリティ(特許権)をどうやって取得するかを考えます。」

“We have the ability to access innovation from across the biopharmaceutical ecosystem. Our approach is to first assess innovative science in areas of significant unmet medical need and then evaluate how to acquire royalties on therapies that we believe are attractive.”

(引用:Royalty Pharma 2021 10-K Annual Report

つまりRoyalty Pharma の経営陣が探している、”significant unmet medical need(満たされていなくて、非常に重要な医療のニーズ)” と、“珍しくて、治らない病気の治療” というのは一致しているのです。

Royalty Pharma の経営陣が探している治療薬というのは、今まで有効な治療がなかった疾患に対するものが多いです。約7000あるrare disease(珍しい病気) のうち90%以上は治療法がまだない状態です。そこに新しい画期的な新薬が発売されれば、大ヒット間違いなし。

しかも、以前の記事にも記載した通り、そういった病気の治療というのは参入障壁が非常に高く、競争が起こりにくいです。

この、“珍しくて、治らない病気” に集中するという戦略は、ジェームズ・コリンズ氏著書のビジョナリーカンパニー②飛躍の法則(GOOD TO GREAT)に出てくるハリネズミの概念にも通じるものがあります。

“どこにも負けない事業になりうる部分にだけ注力することが、偉大な企業への唯一の道である。”

(引用:ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則(GOOD TO GREAT)、第15版、日経BP社、ジェームズ・コリンズ著、山岡洋一訳、p160)

Royalty Pharma は、得意の分析能力を生かして、まさにブルーオーシャン(競合他社がいない、一人勝ちの状態)の領域にエネルギーを集中していると考えることができます。

次のページで製薬業界における4つの追い風について解説します。

1 2 3 4
ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。