米国株投資

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性②ー米国議会予算局報告書から読み解く 前編ー

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前回の記事では、Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の目の前に広がるブルーオーシャンと、3つの追い風について解説しました。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性ーその①ー *最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投資...

今回は4つ目の追い風、”研究開発の発達”について、米国議会予算局(The Congressional Budget Office: The CBO) が出している報告書を元に解説します。

(引用:Research and Development in the Pharmaceutical Industry)

4つある追い風の中でも、特に”研究開発の発達”が一番大事な要素なのですが、非常に内容が濃いです。少々難しい内容ですが、普段、製薬や医学の領域に関わらない人にもなるべく分かってもらえるように解説していきます。そして、この内容が分かると、なぜ今後Royalty Pharmaが製薬業界の中でも特に有望な存在なのかが分かると思います。

この記事では、

①そもそも米国議会予算局 (The Congressional Budget Office: The CBO) とは何か

②製薬業界の研究開発の特徴

③研究開発と新薬の関係について

④研究開発と政府との関係

⑤Royalty Pharmaが受ける恩恵についてのまとめ

のうち、①と②について解説します。

”Royalty Pharma に投資はしたいけど、今後どうなるか心配”

という方や、

”今後、市場が暴落した時に、Royalty Pharma をホールドする確固たる理由が欲しい”

という人向けです。

現状ネットで見られるロイヤリティファーマに関する日本語の情報だけだと足りないと感じている方に、米国政府の機関が出しているデータを提示し、投資判断の助けになれるといいなと思います。

まずは結論

特に、”②製薬業界の研究開発の特徴” の項目で出てくる ”どんな要素が研究開発費に影響するか” の内容は特に重要ですが、この記事を読むことでRoyalty Pharma に関して以下のことが分かります。

・Royalty Pharma がロイヤリティを持っている薬が、今後より一層売れるための製薬業界の仕組みがある

・製薬の業界の構造として、今後Royalty Pharma が必要となる機会がさらに増えることが予想される

・製薬会社への投資を考えた時、より高いリターンを狙いつつ、リスクを適正化する方法として、Royalty Pharma が非常に魅力的

ただ、非常に内容が濃いので、まとめだけ読みたいという人は次の記事の最後、

⑤Royalty Pharmaが受ける恩恵についてのまとめ

を先に読んでください。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性③ー米国議会予算局報告書から読み解く 後編ー *最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投...

では、以下で詳しく解説していきます。

そもそも米国議会予算局 (The Congressional Budget Office: The CBO) とは何か

まずは、今回の記事の元となっている

“Reserch and Development in the Pharmaceutical Industry”

という資料を発行している The Congressional Budget Office (以下 CBO) について解説します。

CBO (米国議会予算局)

まずCBOとは日本語で米国議会予算局と訳されますが、これは米国政府に付属する機関の一つです。米国議会に予算や経済に関する情報を提供します。

言い換えると米国政府の予算は、このCBOの提出する資料を参考にして立てられます。

なぜCBOは製薬業界の研究開発に関する資料を作ったか

まず、政府は医療費をなるべく抑えつつ、医学の発展を促すという役割を担います。

アメリカで開発される医学的に有益な新薬の多くは高価であり、医療費の上昇に関係しています。なので政治家は薬の値段を下げるための政策を打ち出し医療費を削減したいと考えます。しかし、薬の値段が下がると製薬会社の利益が減ってしまうため、新薬開発のモチベーションが下がってしまう可能性が危惧されます。

そこでCBOの登場です。

データに基づいた分析をCBOが行い、その報告書に基づいて政府が政策を決定することで、医療費削減と医学の発展のバランスを取ります。この報告書によると、医療費に大きく関係する製薬会社の研究開発費は年々増加傾向を示しています。これはRoyalty Pharmaのビジネスモデルにとっては大きなチャンスになりますし、今後も製薬会社の研究開発費の増加は続くことが予想されます。

製薬業界の研究開発の特徴

今回の記事の中で、Royalty Pharma が一番関係するのはここだと思います。

ここをしっかり理解できると、Royalty Pharma が将来とても有望なことが分かると思います!

研究開発費とはなにか?

英語だと”R&D (research and development)” と言われる研究開発費ですが、これはどの業界においても重要なものです。

多くの大企業は新しい製品を開発するために予算の一部を研究開発費に充てます。分かりやすい例だと、スマートフォンやソフトウェア開発があります。Appleは毎年のように新しいモデルのiPhoneを発表していますし、GoogleやAmazonも今までになかったサービスを次々と提供してくれます。

これらの企業は競合他社との競争に勝ち、市場における優位性を保つために常に研究開発を続けています。ただ、テクノロジーの分野は進歩が激しく、1年前までは最新だった製品が、翌年には当たり前ということが常に起こっています。

それに対して、製薬業界というのは、新しい薬の開発に時間はかかるものの、一度完成してしまえば同じ商品が何年にもわたり売れるという特徴があります。しかも、その売り上げは年々増加する傾向があります。

製薬業界における研究開発費とは

では製薬業界における研究開発費にはどのようなものがあるのでしょうか?

CBOの資料によると製薬会社の研究開発費には5つの種類があるとされています。

①発見:新薬を発見し、研究するための費用

例えば、いわゆる認知症と言えばアルツハイマー病がありますが、決定的に有効な薬というのは実はまだありません。新薬を開発する為に様々な企業が研究を進めています。

因みに、Royalty Pharma はアルツハイマー病の治療薬候補、”Gantenerumab” のロイヤリティを持っています。(2022年8月現在、第三相臨床試験中で2022年の第四4半期に結果が出る予定)

②発展:臨床試験、FDA承認への申請、製造ライン

新薬を市場に送り出すには臨床試験 (Clinical trial) をいくつも合格する必要があります。後程解説しますが、このプロセスは非常に長く、とても費用がかかります。ちなみに、これこそRoyalty Pharma が繁栄する理由の一つでもあります。

臨床試験を通過した薬は、FDA(日本でいうと厚生労働省みたいなところ)の承認を得て市場に送り出されるのですが、その申請にも費用がかかります。

因みに1つの薬の承認を申請するためだけの費用で、2022年は約$3 million (日本円で約4億2000万円、1ドル140円)かかるようです。

③応用:既存の薬の新しい用量や他の疾患への適応、新しい投与方法をみつける

例えば、Royalty Pharma が持つロイヤリティの中でも稼ぎ頭である薬に、Imbruvicaという薬があります。これはもともと慢性リンパ性白血病(血液のガン)の治療薬として承認されました。

それが研究開発の結果、2022年8月に慢性GVHDに対しても承認されました。(慢性GVHDとは、せっかく臓器の移植を受けたのに、拒絶反応がずっと起こってしまっている状態です)

これにより、全く新しい薬を開発せずとも、薬の販売先を増やすことが可能となります。(つまり、Royalty Pharma の収入も増える可能性があります。)

④差別化:臨床第3相試験の費用

臨床試験については後程解説しますが、この第3相試験では、既存の薬と比べて新薬がどれだけ有効かを調べます。

この試験を行うには非常に費用がかかり、しかも失敗する可能性が高いです。製薬会社はリスクを分散したいと考えており、Royalty Pharma が収益を伸ばす可能性はここにもあります。

⑤安全確認:臨床第4相試験の費用

臨床第4相試験とは、市場に出た薬が本当に安全か確認するための試験です。新しいワクチンが市場に出回った後に、本当にそのワクチンが安全かを調べるための研究もこれに当たります。

増加する製薬会社の研究開発費の特徴

では、製薬会社の研究開発費の傾向はどうかというと、今後も増加することが予想されます。それだけではなくその内容にも変化が見られます。この特徴を理解すると、Royalty Pharma の顧客となる製薬会社が、なぜ今後Royalty Pharma により多くの収益をもたらしてくれるかが理解できます。

製薬会社の研究開発費の特徴には、大きく分けて

①増加傾向である

②小規模の製薬会社と大手製薬会社で集中するポイントに差がある

③売上における研究開発費の占める割合の増加

の3つが挙げられます。

①製薬会社の研究開発費は増加傾向である

ワクチンで有名なファイザー社 (Pfizer) や、バンドエイドのジョンソンエンドジョンソン (Johnson & Johnson)、武田製薬 (Takeda)などの大手製薬会社の集まりにPhRMA (Pharmaceutical research and Manufactures of America) という団体があります。(大手製薬会社の集団と思って良いです。)

このPhRMAの2019年における研究開発費はアメリカ国内で約$83 Billion (約9兆1300億円:1ドル=110円)でした。

(引用:Research and Development in the Pharmaceutical Industry, p7)

これは大手製薬会社における研究開発費のデータですが、同じ傾向は小規模の製薬会社の研究開発費においてもみられます。

②小規模の製薬会社と大手製薬会社で集中するポイントに差がある

実は研究開発費といっても、小規模の製薬会社と大手製薬会社とでは研究開発費の投資先に大きな違いがあります。先ほど紹介した研究開発費の5つの種類と合わせて考えてみます。

大手製薬会社は②発展(臨床試験を行ったり、既存の薬の新しい用量や、他の疾患への適応の発見)、そして⑤安全確認(第4相試験:市場に出た薬が本当に安全か確認するための試験)に研究開発費を割きます。

それに対して、小規模の製薬会社(ベンチャー企業など)は①発見(新薬を発見し、研究するための費用)に資金を集中させる傾向があります。

(研究開発費の投資先:CBO資料を基に作成)

実は、第3相試験が行われている約3000の薬のうち、およそ70%以上は小規模の製薬会社(ベンチャー企業)によるもので、大手製薬会社の薬は20%程度を占めるだけというデータがあります。

大手製薬会社は資金があるため長期に渡る臨床試験を乗り切ることができますし、しかも今までに薬を販売してきた経験があるので、物流網も確保しています。

それに対して小規模の製薬会社(ベンチャー企業)においては職員の数も少なく、資金面や臨床試験の経験においても大手製薬会社にはかないません。その代わりに今までにない新薬を開発する研究に特化することでハイリスク、ハイリターンを狙っています。

これは、19世紀にイギリスの政治経済学者、David Ricardo氏が提唱して、”Comparative Advantage: 比較優位性” と呼ばれる考え方に当てはまります。

(Comparative Advantage:比較優位性については、気が向いたら別の記事で解説しようと思います。世界での自由貿易が推奨されている理由もこの comparative advantage が理由です。)

結果、小規模の製薬会社と大手製薬会社それぞれが、得意な分野に特化します。まず小規模の製薬会社が薬を開発し、その会社を大手製薬会社が買収することで、収益を伸ばすという構図が出来上がるのです。これはRoyalty Pharma が特許権を持つ片頭痛の薬、”Nurtec ODT” の例でも見ることができます。

Nurtec ODTという薬は、ベンチャー企業のBiohavenが開発しました。そしてRoyalty Pharma は Biohavenに資金提供したことをきっかけに、2020年8月にNurtec ODT のロイヤリティを手に入れています。その後、2022年5月に大手製薬会社のファイザー社 (Pfizer) はBiohavenを買収し、ファイザーの巨大な販売網を利用して、Nurtec ODTの販売を加速させることが予想されています。

この流れはRoyalty Pharma にとっては追い風です。小規模の製薬会社から買い取った特許権を持っているだけで、大手製薬会社がその薬の販売をどんどんと促進してくれるからです。

③売上における研究開発費の占める割合の増加

もう1つ大きな特徴として、薬の売上高自体の増加よりも、製薬の研究開発開発費はもっと早いペースで増加しているというのがあります。

(引用:Research and Development in the Pharmaceutical Industry, p5)

この図から分かる通り、売上高(net revenue) に占める製薬会社の研究開発費(一番上のPharmaceuticals)の比率は上昇傾向にあります。製薬業界においては、2000年初めごろはその比率が13%程度であったのに、2019年頃には25%以上にもなっています。通常、企業の研究開発費の売上高における比率というのは2~3%程度であるのが普通です。また、研究開発が大きな役割を担うソフトウェアや半導体業界 (Software, Semiconductors) においてすら、その比率は18%以下です。このグラフを見ると、製薬業界において研究開発費が勢いよく増加しており、業界全体として利益率を下げてきていることが分かります。

しかし、なぜこのような傾向がみられるのでしょうか?

その理由として考えられるのは

・まだ売上がほとんど出せない、小規模の製薬会社(ベンチャー企業)が新薬開発を担う機会が多くなってきた

・研究開発費に対する、最終的な見返りが大きい(ハイリスク、ハイリターン)ため、企業がより多くの費用を研究開発に振り分けるようになった

・科学の進歩により、新薬を開発する機会が増えた

などが考えられます。

新薬を開発するための費用がよりかかるということは、製薬業界においてよりRoyalty Pharma が必要な存在になることを意味します。さらに、新薬を開発する会社の多くが小規模の製薬会社(ベンチャー企業)で、資金が足りない財務状態であることを考えると、今後Royalty Pharma の出番はさらに多くなると予想されます。

どんな要素が研究開発費に影響するか

ここまでで、製薬における研究開発費にはどんなものがあるか、そして、研究開発費は増加傾向であることを示しました。

では、どんな要素が研究開発費に影響するのでしょうか?

これについては3つの要素が考えられます。

①将来期待できる売上高

②開発にかかる費用の予想

③政府の政策やプログラム

①将来期待できる売上高

新薬が将来どれくらいの売上をあげることができるかは、

1:薬の価格

2:どれだけの量の薬が売れるか

の2つで予想します。

これら2つの要素を想定する方法としては、新薬が治療する疾患に対して、既存の薬が、どの値段で、どれだけ売れたかというデータが参考になります。

②開発にかかる費用の予想

新薬を開発するのにどれだけの費用がかかるかも重要な要素の一つです。

この要素について理解すると、Royalty Pharma のビジネスモデルの優位性がはっきりとします!

さて、一般的には、新薬1つ開発するのに、平均して$ 1 billion~ 2 billion (約1400億円:1ドル=140円)ほどの費用がかかるといわれています。この費用には、市場に出回る新薬開発のための費用のみならず、今まで開発に失敗した薬の費用も含まれています。新薬開発というのは非常にハイリスクなビジネスであり、研究が途中で中止となったり、失敗に終わってしまうというのは日常茶飯事なのです。

そのため、開発にかかる費用には

・臨床研究前(動物実験段階)の費用

・承認された薬の、臨床試験にかかった費用

・開発のために保留された資金の機会費用(opportunity cost)

に加えて、

・失敗した研究にかかった費用

が含まれます。

ところで、新薬の開発には大きく分けて3つの特徴があります。

それは

・研究が長期に渡る

・リスクが非常に高い

・費用が非常にかかる

です。

研究が長期に渡る

新薬開発というのは長期に渡るプロセスです。臨床前試験(動物実験など)から始まり、3段階の臨床試験を経てようやく市場に出回ることを許されます。

臨床前試験の段階で、研究開発費の43%が使用され、およそ31か月(約2年半)かかると言われます。そして、その後の3段階の臨床試験では、約95か月(約8年)かかると言われます。つまり、始まってから終わるまで約10年半かかるといわれているのです。しかも、後になって新薬候補が使えないことが判明することがあります。10年経って初めて、今までの研究が水の泡であると分かることもあり得る世界なのです。

リスクが非常に高い

では、どれくらいの確率で成功、または失敗するのでしょうか?

以下のグラフをご覧ください。

(新薬の失敗率:CBO資料を基に作成)

まず、臨床試験に入る前に、数々の新薬候補が現れますが、その中でも100個の新薬が臨床試験にたどり着けたとします。すると、最終的に市場に出てくるのは、最初の100個のうち、たった12個だけなのです。

先程、新薬開発は小規模の製薬会社(ベンチャー企業)が積極的に行っていると記載しました。投資という観点で考えると、なるべく早い段階で(例えば臨床試験にたどり着いたばかりの新薬を持っている)製薬会社に投資をすれば、その薬が承認された時のリターンは大きくなります。しかし、88%の確率で失敗に終わる可能性があるのです。たとえ第3相試験に辿りついた薬だったとしても40%の確率で失敗に終わるのです。

つまりは、株価大化けを狙って、臨床試験を行っている製薬会社の株を事前に購入しても、第1相試験であれば88%の確率で、そして、たとえ第3相試験であっても40%の確率で無駄になってしまう可能性があるのです。

Royalty Pharma が現在保有しているアルツハイマー病の治療薬候補、”Gantenerumab”も同様です。失敗する可能性が非常に高いです。(個人的に、この薬は、過去のデータをみる限り失敗する可能性が高いと考えています。)

このことを、Royalty Pharma の経営陣は熟知しています。

2022年5月17日に行われた “Royalty Pharma Investor Day” のプレゼン資料をご覧ください。

(引用:Royaly Pharma Investor Day Presentation 2022)

2025の予想Adjusted Cash Receipts (ACR:修正売上高)の資料ですが、Gantenerumabは考慮しないとしています。ハイリスクと分かったうえで、当たった時のリターンを考えて投資しているのです。

では、Royalty Pharma が投資した研究段階の新薬は、どれくらいの確率でFDAの承認を受け、市場に出回ってきたのでしょうか?

次の資料をご覧ください。

(引用:Royaly Pharma Investor Day Presentation 2022)

新薬の数としては79%、投資金額の割合としては95%の確率で承認されたという驚きの数字です。通常であれば、最終段階の第3相試験の新薬でも40%程度しか承認されないのですが、Royalty Pharma の目利きにかかれば、その確率はこれほどまでに跳ね上がるのです。しかも、Royalty Pharma が手に入れるロイヤリティというのは、ビジネスとしてとても美味しい新薬を狙っています。

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製薬会社に投資したいと考えた時に、製薬業界のおいしいところをだけを集めた会社がこのRoyalty Pharma だと思うのは私だけでしょうか?

費用が非常にかかる

また、臨床試験というのは非常にお金もかかります。

また、第1相試験、第2相試験、第3相試験と数を重ねるたびに、必要な資金も増えてきます。

(臨床試験にかかる平均費用:CBO資料を基に作成)

さらに、失敗した新薬の研究費用 である$ 690 million が加わり、合計 $ 1065 million (約1490億円:1ドル=140円)が新薬1つの研究開発費としてかかります。

研究開発費のトレンド

過去10年間で、製薬業界の研究開発費は年率8.5%程度増加しています。

これは、開発される薬の種類や、臨床試験で試される薬の数が影響していると思われ、今後も増加する可能性があります。製薬会社の研究開発費増加、はRoyalty Pharma のビジネスモデルにとってはチャンス拡大を意味し、まさに追い風が吹いている状態といえそうです。

③政府の政策やプログラム

研究開発費の増大は、新薬のコスト増大につながります。それはつまり、薬の値段が上がることを意味し、医療費が増えることにつながります。政府としてはなるべく医療費を抑え、かつ、医学の進歩は促したいという思いがあります。

これについては次回の記事で解説しようと思います。

まとめ

・Royalty Pharma がロイヤリティを持っている薬が、今後より一層売れるための製薬業界の仕組みがある(大手製薬会社が小規模の製薬会社を買収する)

・製薬の業界の構造として、今後Royalty Pharma が必要となる機会がさらに増えることが予想される(研究開発費は増加傾向で、小規模の製薬会社が新薬開発を担っている)

・製薬会社への投資を考えた時、より高いリターンを狙いつつ、リスクを適正化する方法として、Royalty Pharma が非常に魅力的(新薬開発は失敗する可能性が非常に高く、失敗した時の損失が非常に大きい。Royalty Pharma の社員の目利きは非常に有能。)

次は後編で

③研究開発と新薬の関係について

④研究開発と政府との関係

⑤Royalty Pharmaが受ける恩恵についてのまとめ

について解説したいと思います。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性③ー米国議会予算局報告書から読み解く 後編ー *最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投...

<参考資料>

Royalty Pharma Investor Day Presentation
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akifune
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。