Royalty Pharma

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性②ー米国議会予算局報告書から読み解く 前編ー

そもそも米国議会予算局 (The Congressional Budget Office: The CBO) とは何か

まずは、今回の記事の元となっている

“Reserch and Development in the Pharmaceutical Industry”

という資料を発行している The Congressional Budget Office (以下 CBO) について解説します。

CBO (米国議会予算局)

まずCBOとは日本語で米国議会予算局と訳されますが、これは米国政府に付属する機関の一つです。米国議会に予算や経済に関する情報を提供します。

言い換えると米国政府の予算は、このCBOの提出する資料を参考にして立てられます。

なぜCBOは製薬業界の研究開発に関する資料を作ったか

まず、政府は医療費をなるべく抑えつつ、医学の発展を促すという役割を担います。

アメリカで開発される医学的に有益な新薬の多くは高価であり、医療費の上昇に関係しています。なので政治家は薬の値段を下げるための政策を打ち出し医療費を削減したいと考えます。しかし、薬の値段が下がると製薬会社の利益が減ってしまうため、新薬開発のモチベーションが下がってしまう可能性が危惧されます。

そこでCBOの登場です。

データに基づいた分析をCBOが行い、その報告書に基づいて政府が政策を決定することで、医療費削減と医学の発展のバランスを取ります。この報告書によると、医療費に大きく関係する製薬会社の研究開発費は年々増加傾向を示しています。これはRoyalty Pharmaのビジネスモデルにとっては大きなチャンスになりますし、今後も製薬会社の研究開発費の増加は続くことが予想されます。

次のページで製薬業界の研究開発費について解説します。

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あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。