Royalty Pharma

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の将来性③ー米国議会予算局報告書から読み解く 後編ー

どの分野の薬が売れてるか?

では、治療領域ごとで比較した際に、どの分野の薬が売れているのか見てみましょう。

(引用:Research and Development in the Pharmaceutical Industry, p8)

この図によると、2009年から2019年にかけて売上が大きく伸びている領域は、悪性腫瘍、(ガン)、糖尿病、自己免疫疾患、HIV、呼吸器疾患などがあげられます。

薬自体という観点で特徴的なのは、これらの領域で使われる薬は、有機化学で作られたものではなく、生物製剤(生きた細胞を使って作られた薬)が多いということです。

そして、大きく売上を伸ばしている領域の特徴をあげると

・糖尿病、呼吸器疾患(喘息、COPDなど)の患者数が多い領域

・慢性的な疾患で、治療によりコントロール可能だが、継続的な治療が必要(自己免疫疾患、HIV)

・患者の数は少ないが、まだ治療法がない病気(珍しい病気、rae disease)

・短期での治療ではあるが、生命にかかわるもの(悪性腫瘍)

などがあげられます。

過去の記事にRoyalty Pharma がどんな薬の特許権を持つか解説しましたが、まさにここで出てきた特徴を持つ薬の特許権をRoyalty Pharma はかき集めていることが良く分かります。

Royalty Pharma (ロイヤリティファーマ)の薬のすごさ-医者の視点でPaypal の創始者から学ぶ-Royalty Pharma のポートフォリオのラインアップがいかに素晴らしいか、医師の視点とビジネスの視点で紐解いていきます。...

次のページでホットな治療分野について解説です。

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あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。