Royalty Pharma

Royalty Pharma の新な試みーMerckとのコラボについてー後編

MK-8189 に対する個人的な感想

ここまで、前編の記事も含めて MK-8189 に関して様々な情報を集めてきました。

Royalty Pharma のビジネスという観点、MK-8189がどんな性質の薬で、なぜ Merck はこの薬の開発を続けているのか、開発が成功する見込みはありそうなのか、どんな患者さんをターゲットにしているのか、この統合失調症というマーケットはどれだけおいしい市場なのかなどなど。

Royalty Pharma の新な試みーMerckとのコラボについてー前編 *最終的な投資の決定は皆さんご自身の判断でお願いします。私は資格を持ったファイナンシャルアドバイザーではなく、あくまでも1人の素人投資...

これらを総合的に考慮した上で、個人的にこのMK-8189 という薬は非常に興味深いと思っています。

もちろんPDE10A 阻害薬というのは、過去に Pfizer と武田製薬という大手2社が開発に失敗している分野であり Merck も失敗するリスクは高いです。しかも現在第2相臨床試験中であるため、事前確率として失敗する可能性が高いです。しかし、少し期待しても良さそうなデータが出ている点も見過ごせません。

個人的には、成功する確率と、失敗する確率は五分五分位かなと感じています。

ただ、統合失調症の治療薬という分野でまだ誰も成功できていないPDE10A という分野に挑戦しているということ、そしてこの薬は一部の統合失調症患者さんにとって非常にメリットが大きいことを考えると医師としてとても興味深い領域だと感じます。

現在進行中の第2相臨床試験の結果が出てくるのは2024年の6月ごろとまだ少し先の話ですが、どんな結果が出るか個人的にとても楽しみです。

まとめ

  • 統合失調症というのは、症状によって分類された概念である
  • MK-8189 は全ての統合失調症に劇的な効果をもたらすものではない
  • 副作用軽減がキーポイント
  • 体重増加などの副作用を軽減できるメリットが患者さんにある
  • Pfizer と武田製薬は既に失敗しているので、競合がいない
  • 統合失調症の患者数は非常に多いため、MK-8189 の開発が成功すれば、非常に大きな利益を生み出すことができる

<参考図書>

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ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。