Royalty Pharma

乳がん治療薬からみる Royalty Pharma (ロイヤルティファーマ)のすごさ

Trodelvy の競合である第一三共

乳がんの治療の歴史に大きなインパクトを与え、しかも Royalty Pharma に高い収益をもたらしてくれる Trodelvy ですが、やはりこんなおいしい市場に参入しようとする企業はいるものです。

それは我ら日本の企業、第一三共です。

”ダトポタマブ デルクステカン(DS-1062/Dato-DXd) ”と呼ばれる薬ですが、仕組みは Trodelvy と全く同じです。Trop-2 をターゲットとする抗体という点でも仕組みがまったく同じですし、その抗体にくっつける抗がん剤もトポイソメラーゼI 阻害剤という全く同じ種類の抗がん剤となっております。このDato-DXd の利点としては、より副作用を軽減できるところだそうです。

(参照:第一三共

ちなみに、第一三共のホームページを見ると、仕組みについての動画が視聴できます。

現在第3相臨床試験中で、臨床試験が終了するのは2025年12月頃の予定です。

(参照:ClinicalTrials.gov

なので、少なくともトリプルネガティブ乳がん(TNBC)領域においては2025年12月頃まではTrodelvy の立ち位置が脅かされる可能性は少ないと思います。またそのころにはTrodelvy には数多くのデータがそろっているため、簡単に市場を奪われることはないのではないかと個人的に想定しています。

今後も ”がん(悪性腫瘍)” の治療において Trop-2 というタンパク質をターゲットにした治療は新しい競合が参入してくる可能性があり、競争が徐々に激しくなってくる可能性がありますが、とりあえず2025年頃までは安泰と考えて良さそうです。

まとめ

  • Trodelvy は乳がんの治療を変えた期待の薬
  • Trodelvy の案件で大きな利益を得ている
  • 今後もTrodelvy の売り上げが伸びることが期待できる

今後も記事を少しずつ更新していこうと思います。よろしくお願いいたします!

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ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。