安全域(margin of safety)
安全域は、Warren Buffett氏の師匠と言われる、ベンジャミン・グレアム(Benjamin Graham) 氏が提唱した概念です。
企業の”価値” と “価格” の間に大きな余裕を持つという概念です。
安全域に関して、グレアム氏は以下のように解説しています。
割安銘柄は本質的に、株価がその株式の評価価値よりも安い状態にあるわけで、その差がすなわち安全域である。安全域は、計算ミスや運の悪さを十分に吸収する効果がある。
賢明なる投資家、ベンジャミン・グレアム著、増沢和美訳、Pan Rolling 社出版、p434
また、賢明なる投資家(The Intelligent Investor) の補遺にはWarren Buffet氏の記事が紹介されていて、安全域に対して以下のように述べています。
一ドルの価値がある事業を私が四Oセントで買えるなら、何か私にとって良いことが起きるかもしれない、という至極単純なことです。
賢明なる投資家、ベンジャミン・グレアム著、増沢和美訳、Pan Rolling 社出版、p457
価値が八三OO万ドルの事業を八OOO万ドルで買おうとしてはいけません。大きな余裕をみることが肝要なのです。
賢明なる投資家、ベンジャミン・グレアム著、増沢和美訳、Pan Rolling 社出版、p467
つまり、たとえ計算ミスなどがあったりDCF法で算出された数値に誤差があったとしても、大きな余裕(安全域)を見ることで、その影響を緩和することができるのです。
価値と価格の大きな差を見つけることが、投資で成功する方法だとBuffet氏は説いています。
次のページで起業の現在価値を簡単に調べる方法について解説です。