Valuation (バリュエーション、価値)
では、銘柄の価値について詳しく見ていきましょう。この項目ではいくつもの視点から、その銘柄が割安なのか、割高なのかを考えていきます。
Microsoft を例に挙げて解説していきます。皆さんも是非新しいアカウントを作って同じように操作してみてください!
Key Valuation Metric
ここでは、どの指標を用いて価値を判定したらよいか教えてくれます。
今回Microsoft は利益が出ているのでPERで判定されています。
先程も登場した、時価総額(Market Cap)のうち、純利益(Earnings) がどれだけの割合かという円グラフが記載されています。

これが利益の出ていない会社の場合、別の指標が採用されます。
例えば、データウェアハウスを構築している “Snowflake(スノーフレーク。ティッカーシンボル SNOW)”の場合、PERではなくPSRで判定されています。

Price to Earnings Ratio vs Peers(同業他社と比較したPER)
これは同業他社(Peers) と比較して、PER (株価収益率)がどれほど違うかを表示してくれます。
PERという観点から見ると、Microsoft(PER 25.2倍) は同業他社と比較して割高な水準と言えます。そして、Meta Platforms (PER 9.1倍)が非常に割安になっていることが分かります。

Price to Earnings Ratio vs Industry(業界全体と比較したPER)
先程は同業他社(Peers) との比較でしたが、今度は業界全体との比較です。
Microsoft はソフトウエア業界に位置付けられるので、ソフトウエア業界全体のPER で見てみます。
すると、ソフトウエア業界全体の平均PER (Industry Avg)である39.7倍と比較すれば、MicrosoftのPER 25.2倍は割安であると言えそうです。

そして、同業で同じ程度のPERを持つ他の企業は何かを見ると、Zoomが当てはまることが分かります。

Price to Earnings Ratio vs Fair Ratio(適切なPERと現在のPERの比較)
これは企業の適切なPERと比較した場合の割安度を示しています。
期待される将来の純利益の伸び(forecast earnings growth)、純利益率(Profit margins)、その他リスクファクターなどを考慮して計算されたFiar PE(適切なPER) との比較です。
これを見ると、Microsoft は期待されるPER よりも割安な状態であることが分かりますね。

Share Price vs Fair Value(適正価格と株価)
ここで、DCF法の登場です。
現在の株価(Current Price ) と適正価格(Fair Value) を比べています。
こうしてみると、Microsoft の株価は適正価格よりも約28%安いことが分かりますが、安全域という点では少し物足りない気がします。
個人的には、これが60%を超えて、優良な企業であることが分かれば、積極的に買いに向かいたいと考えています。

Analyst Price Targets(アナリストが予想する1年後の株価)
これはアナリスト達が予想する1年後の株価と、今の株価の差を表しています。
青色の線が実際の株価で、紫色がアナリスト達が予想した株価です。青色の線と紫色の線が一致するほど、株価予想が正確であることを意味します。
Microsoft に関しては、予想と大きくずれていることが分かりますね。おそらく金利が上昇したり、決算が悪かったことが影響しているのでしょう。

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