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リーズ生活スタート

目が覚めて

朝になって目を開けてみると、見慣れた天井ではないことに気が付いた。

そうだ、自分はリーズに来たのだと改めて気が付く。

夜に到着したので、外の様子が分からなかったが、窓から光が差し込んでいる。

窓の外を覗くと、目の前に大学が見える。

あぁ、自分はついに待ちに待った留学に来たんだと、嬉しくなる。

これから留学生活を頑張ろうと思うとともに、お腹が減ったことに気が付く。

それに布団もないし、トイレットペーパーすらない。

一刻も早く生活用品を準備する必要があった。

まずは1階(イギリスではGround floor、イギリスでthe first floorは日本の2階の意味)

にある受付に行き鍵をもらいに行った。

はっきりとは覚えていないが、入学に必要な書類とパスポートを持っていった気がする。

受付にお願いしたら、鍵はすんなりともらえたと思う。

自分の足で歩く

リーズでの生活が始まってから、自分の足で歩くということを覚えた気がする。

日本でも同じだが、入寮してすぐというのは準備が大変だ。

日本の大学生が引っ越しをする際は、

親が車を出してくれたり、自分で車を使って引っ越せばいいと思う。

だが、ここはイギリス。

自分には車を出してくれる知り合いもいなければ、

イギリスの運転免許証なんてもってないし、

自転車ももっていない。

イギリスでは、自転車が歩道を歩くことは非常に稀だ。

ロンドンではレンタル自転車を簡単に利用することができて、

たまに歩道を走る自転車も見かける。

ただ、自分の感覚として、これはロンドンだけな気がする。

ロンドン以外の都市では、基本自転車は車道を走っている。

歩道を走る自転車は、

不良少年が乗り回す自転車か、Uber Eatの宅配員くらいだった気がする。

熊本にいた時は、自転車がなければ生活なんてできないと思っていたが、

リーズに来てからは自分の足が自転車代わりだった。

皆が自転車に乗らないからと言って、生活に必要なものが、全て近場にそろっている訳ではない。

場合によっては、

寮からお店まで1キロくらい歩かなければいけないことなんてざらだった。

けれども、リーズに住む学生は、歩くことを厭わない様子だった。

男子も女子も歩くのがとても速く、お店から食料品を自分の足で歩いて運んでいた。

きっとこれは文化なのだろう。

最初は店まで歩くのは遠いと思っていたが、意外と慣れるものだ。

一回慣れると、それが普通になって苦になくなった。

この時の経験が体に染みついているからこそ、

帰国してからも、自分は歩いて1時間くらいであれば遠いとも思わなかったし、

東京の六本木から新宿までであれば、タクシーの3000円をケチってでも歩いていた。

買い物リスト

ただ、最初にリーズの街に買い物に行ったときは、

他に手段がなく、歩かなければ生活に必要なものを手に入れることができなかったから歩いた。

今思えば引っ越しの時だけはタクシーを使ってもよかったかもしれないと思うが、

何せ学生でお金に余裕があった訳ではないし、

結局色々なお店に探しに行かなければいけなかったので、

歩いて回ったほうが早かったのだと思う。

最初に必要と思ったのは

  • 朝ごはん
  • トイレットペーパー
  • 布団セット
  • バスタオル
  • ボディーソープやシャンプーとかのバスアイテム
  • 現地のケータイ

だった。

寮にはcatered とself-catered の2種類があって、

catered は食事が付いてくるもの、self-cateredは自分で作らなければいけない。

自分の場合はself-cateredの寮であったため、もちろん食糧など寮に全くない。

また、当たり前なのだが、寮はホテルではない。

布団もなければ、トイレットペーパーも何もない。

到着したのはいいけど、何にもないという状態になってしまう。

新しく留学で入寮する人で、快適な引っ越しを希望する人には、

数日だけでいいから、寮近くのホテルに滞在することをお勧めする。

寮もすでに契約していてもったいないと思うかもしれないが、

疲れてるのにお風呂も入れないし、トイレットペーパーもない、ご飯もない

というひもじい思いをしなくてよい。

もしかしたら、自分の下調べが足りなかっただけかもしれなくて、

普通の人はこうなることを考えて、スーツケースにトイレットペーパーを入れておくものなのだろうか?

日常が非日常になる瞬間

留学というのは、日常が非日常になる瞬間の連続だと思う。

歩くということに関しては、今までは自転車で移動することが日常であったのに、

リーズに来てからは、自転車を使うという行為が非日常的になった。

留学に来て日が浅い時は、この非日常に出会う数がとても多いと思う。

それは、初めての買い物においてもそうだった。

さて、どこから手に入れたのか覚えていないが、

リーズの街のどこで必要なもの買えるかが乗っている地図を持っていた。

多分入寮した時の机の上に置いてあったお土産ボックスの中に入っていたのだと思う。

ちょっとしたお菓子や、デオドラントが入っていて、とても嬉しかった。

地図を手に街の中を少し散策してみると、

当たり前なのだが日本と風景が全く違う。

歩行者は車が来ていなければ信号無視してどんどん横断歩道を渡っていくため、

それについていかないと自分が道をふさいでしまう。

ショッピング街も別物だ。

ショッピング街の石畳は前日の夜降った雨でまだ濡れていたが、

翌日は晴天で朝日が濡れた石畳の陰影を強調ていた。

石畳の道は、

古い通りであれば、拳一個分ほどの大きさの石が敷き詰められた通りもあるし、

新しいショッピング街であれば、

平で大きめ(自分が1つのマス目に座れるくらいの広さ)の石板が敷き詰められている。

ただどの石畳としても、

日本の道路アスファルトの道路のように平らではなく、凹凸が激しい。

なので、

底の厚い革靴や、ハイヒールだと足を取られてくじいてしまう可能性がるから注意が必要だ。

その石畳の両端には1階部分がガラス張りの店舗が入っていて、

その上は朱色のレンガを積み上げられた建築物が軒を連ねている。

目の前の店が何を売っている店なのかもぱっと見だと分からない。

ある店は地図上では布団が買えると書いてあるのに、

外からみるとどう見ても布の生地をおろしている手芸用品店にしか見えなかったり、

またある店には出入り口に安全バーみたいなものが付いていて、

スーパーのようにも見えるが、

一般人が入って行っていいのか、会員制なのかもわからない。

そもそも、ここが入り口なのか出口なのかも、分からない。

ここはスーパーだから食料品が買えるよね、

とか

ここはホームセンターみたいなところだから、安い布団が買えるよね、

とか

そうゆうことすら分からないのだ。

街の匂いや雰囲気も日本の時には感じなかった違うものを感じた。

この、真新しさを言葉で表現することができないのだが、

一種の高揚感に近いものだろうか。

まだ9月半ばだというのに、

外気は既に肌寒く、空気は澄んでいて、街はとても静かであった。

雨が降ったからといって、決して湿度は高くなく、

コートと自分の腕がこすれる感覚は、まるで洗ったばかりのシーツにくるまっている感覚だった。

そこそこ人通りはあるのだが、日本と違ってBGMがいたるところに流れている訳ではない。

この街にあるカフェで朝ごはんを食べるとしたら、

ほんのりと肌寒くてさわやかな空気を感じながら、

まだ濡れている石畳の上にあるテーブルとイスに座り、

人々の靴と石畳が合わさる音を聞きながらリラックスするんだろうと思う。

見慣れた店に出会う喜び

日本の都市部に住んでいれば、見つけないことの方が難しいだろう、マクドナルド。

実は、このマクドナルドを最初にイギリスで見つけた時、とても感動したのを覚えている。

今の自分なら、良く分からない店だけど、とりあえず入ってみるかという度胸があるが、

初めて来たイギリスで、彼らが何て言っているか全く分からない状況で、

当時はまだ怖かったのだ。

しかも、

自分がイギリスに到着する数か月前にロンドンでテロがあり、

何人もの死傷者がでていた。

父親に渡されたウエストポーチを腰に巻いて、

スリの被害にあわないようにと思って気を張っていたが、

どうやって気を付けて良いのかも分からない。

リーズ2日目は気が付かないうちに精神的なストレスがかかっていたのだと思う。

そんな状況で、出会ってすごく嬉しかったのが

マクドナルド。

そう、

イギリス特有のものでもなければ、なんなら日本中にあるファーストフード店。

これを見つけた時に、本当に感動した。

日本にいる時に何回も行ったことがある見慣れたレストランだったから、

マクドナルドに行けばご飯にありつけると思ったからだ。

日本にいるときは、マクドナルドを見つけても見向きもしなかったのに、

異国の地で見つけるマクドナルドは、

空腹と精神的ストレスがのしかかっている自分にとってはオアシスのように見えた。

マックで注文ができない

感動したのもつかの間、

マクドナルドでハンバーガーすら注文できない

という事実に気が付いてしまった。

2021年現在のイギリス国内のマクドナルドでは、

ほとんどの場合店員に直接注文しなくても、

店内にある電子案内器で注文すれば簡単にオーダーできる。

だが、

自分が初めて留学した2012年当時は

まだそのような設備は導入されていなかった。

ハンバーガーを注文したければ、

カウンターに行き、

メニューから欲しいものを選んで、

お金を払わないといけない。

ただ、さすがのファストフードチェーン、次から次へとお客が入ってきて、注文していく。

客と店員の会話を盗み聞きしてみたが、

やはりなんと言っているのか分からない。

それに、どうやら金額を言ったみたいだが、

何て言っているのかも分からない。

メニューを見て決めたいが、

英語を読むのに時間がかかってしまって、気まずい。

イギリスポンドのコインが色々な種類がありすぎて、

どれで支払えばいいのか全く分からない。

こんなことを考えているうちに、

疲れてしまって、

怖くなってしまって、

結局マクドナルドでは何も頼まず店を後にした。

お腹はすごくすいているのに、

分からない、怖い、という感情が勝ってしまったのだ。

この時改めて、

見知らぬ土地に来て生活することのハードルの高さを実感したのだ。

今思えば、人の目を気にせずにメニューを見せてもらって

(もちろん、邪魔にならないように後ろの人に先にオーダーをしてもらうのもよい)

金額が分からなければ、何度も聞けばいいと思うのだが、

当時の自分にはまだハードルがすごく高かった。

ちなみに、イギリスの通貨は£(ポンド)だが、

もし合計金額が£12.50(12ポンド50セント)だったら、

読み方は

twelve fifty

となる。

そう、ポンドとセントの間にある” . “は基本的に読まない。

店員さんによっては

twelve point fifty

と読む人もいる。

このことを知らないと、

数字を二つ言われた気がするが、どういう意味が分からない、

twelve fiftyって、£1250もするの?

と混乱する。

あと、支払いする時、

50ポンド札で支払うのはやめるべきだ。

日本の銀行で円をポンドに両替すると、

50ポンド札で渡されることが多いが、

この50ポンド札、本当に迷惑でしかない。

50ポンド札を日常生活で使用するイギリス人はほぼ皆無だと思うし、

もしこれをレジでポンと出すと、

”こいつ、偽札を使ってるんじゃないか”

ってなって、レジがざわつく。

偽札じゃないことを確認するために、

お札にマーカーを引いたり、

じっと見てチェックする必要があるから、

時間がかかってしまう。

なので、日本の銀行で両替を依頼する時は、

全て10ポンド札か20ポンド札に変えてもらうようにお願いするべし。

ちなみに、イギリスのカードでキャッシュレス決済をする文化は日本よりかなり進んでいる。

“By card, please”

っていえば簡単にVisa タッチが利用できる。

まとめ

  • 学生寮には生活必需品は準備されていない。
  • 1階はThe Ground Floorで2階がThe First Floor
  • 入寮日前後は近くのホテルを取る方が良い
  • 留学して初めの頃は毎日が非日常になる
  • 金額の読み方は£12.50ならtwelve fifty
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ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。