有名な英語の語学検定試験としては、日本だと英検やTOEICが一般的だと思う。
インターネットの情報として、
「英検1級はIELTS over all 何点」という換算表がある。
以前の私は、
「IELTS の over all で7.5以上とるには、英検一級レベルの語彙が必要だ」
と考えていたが、これは半分正解で、半分間違えであることが分かった。
IELTSで高得点を取るために求められる語彙力について解説してみたい。
英検準一級レベルの語彙力
詳しい単語のリストに関しては、書店にある単語帳で確認して欲しいのだが、感覚としてはこの程度の語彙力は必要だと思う。
自分の場合、高校3年生の時に英検準一級を取得した。
正直、語彙力対策はほとんどしてなかったと思う。
その代わりに、英語のラジオを沢山聞いたり、洋書(ハリーポッター)を全巻英語で読んだ。
もちろん、この程度の英語力だと、本の詳しい中身まで全て理解することは難しいが、大まかなあらすじはほとんど辞書を引かずに理解することができる。
IELTSで高得点をとろうと思った場合、このレベルの単語はマスターする必要があると思う。
ただ、これくらいのレベルであれば、英語の媒体(テレビやラジオ、本や雑誌)でも頻繁に出現する単語ばかりである。
正直、特別な単語対策をしなくても英語の媒体に触れる習慣が付いていれば、おのずと身についてくるレベルである。
自分は特に単語対策をしたことはなかったが、このレベルの単語力でTOEFL iBT 103や、IELTS 7.0 (over all)を取得した。
英検一級レベルの語彙力
英検一級の単語力は、英検準一級と比較すると桁違いに難しい。
しかし、全く無駄かと言われるとそうではなく、雑誌 Timesや、Penguin books、ニュース英語などで出てくる単語が多い。
ただ、それらの単語が出てくる頻度は非常に少ないので、英文を読んで覚えるとなると、正直厳しいと思う。
どんな単語かというと、例えば “peruse” という単語もこのレベルに含まれると思う。
これは自分が英検一級用の単語帳で覚えたうちの一つであるが、自分が過去に約7回ほど受けたIELTSの試験において、この単語を知らなくても特に困った覚えはない。
もちろん、自分が気が付かなかっただけで、実はこの単語が使われていた可能性も否定はできない。
それでも、私はIELTSのリーディングで過去に1度9.0をとったし、平均でも8.0以上はほぼ毎回とれる。
リスニングもしかりで、このレベルの単語を知らないで受けたIELTSでも、リスニングが7.0を下回ることはなかった。
なので、IELTSの試験当日には、この単語を覚えている必要は正直ないと思っている。
しかし、直接的にはIELTSに関係なかったとしても、このレベルの単語を覚えることは、IELTS対策において非常に有意義だと思うようになった。
それは、これらの単語を知っていると、英語の情報媒体を使って情報を得る力が格段にアップするからだ。
IELTSのライティング対策には、英字新聞やニュース番組などがとても良い教材となるのだが、英検一級レベルの英語が普通に出てくる。
いくつもの雑誌や、新聞、テレビ番組を見て、そのなかでも”peruse” という単語が出てくる確率は非常に低い。
しかし、この単語を知っていると、その単語が出てきた時により内容を理解することができる。
先日、イギリスのテレビ番組を見ていた時のことだった。
その番組はイングランドの名所を順番に紹介していく旅行番組で、その日はオックスフォードと、ケンブリッジを紹介していた。
ナレーターの男性がオックスフォード大学の図書館の中で、古い文献を紹介していたとき、
「ここに来れば、古い文献を隅から隅まで熟読することができる」
と言ったときに、この “peruse” がでてきた。
たとえこの単語を知らなくても、状況から意味を推測することはできると思う。
しかし、英検一級レベルの単語を身につけると、
「憶測でその場の状況を把握する」から「確信を持って意味を理解する」に変化する。
より確かな理解をして、情報を収集するには、やはり英検一級レベルの単語は知っていて損はないと思う。
IELTS 7.0レベルの語彙力
では、IELTS 7.0 に必要な単語力とは言うと、今まで紹介した英検でいう単語力と問われていることが違う。
英検の場合は準一級から一級になることで、単語のレベルが上がり、日常生活での出現率が低下する。
準一級レベルだと read thoroughly で良かったのが、一級レベルだと peruse になるという感じだ。
IELTSの場合、”peruse” のような難しい単語をいくつ知っているかはほぼ問われてないと言っていいと思う。
ILETS ライティングの採点基準に vocabulary があるが、ここでは、どれだけ難しい単語をうろ覚えでも良いから知っているかなど、全く考慮されない。
その代わりに、何が求められているかというと、
知っている単語をどれだけ上手に使えるか
だと思う。
まさに、私を含めた日本人の多くが苦手とする、「能動的に英語を使う能力」を試されている。
例えば、読書についてエッセイを書いた時、”peruse” のような難易度が高い単語があるかどうかはあまり関係ない。
それ以上に
- いかに一つの単語を言いかえれるか (paraphrase)
- トピックに関係する単語をいくつ知っているか (the range of vocabulary)
が問われる。
①いかに一つの単語を言いかえれるか (paraphrase)
これは例えば、「読む」という行為をいかに表現できるかということである。
“read” 以外にも “read thoroughly, read quickly, skim, interpret” などとも表現できる。
ただし、むやみやたらに言い換えればよいかというとそうではなく、ちゃんと文脈に沿った使い方ができていなければいけない。
②トピックに関係する単語をいくつ知っているか (the range of vocabulary)
読書に関していえば、ただの “book” だけではなく、”novel, newspaper, magazines, a paper, document, chapter, paragraph, articles” などなど、読むものに関する単語た多岐に渡る。
そのほかにも、パソコンに関する単語力と言われた場合は、
“screen, keyboard, power button, giga bite, the internet, data” などなど、パソコンに関連する単語は多岐に渡る。
上記の単語を見て欲しいのだが、ほとんどの単語はもうすでに知っているものばかりなのではないだろうか?
そして、これらの単語を英検一級レベルの単語帳で探そうと思っても、ほとんど見つけることができないと思う。
ただ、これらの単語を、正確に、試験という状況下で使用できるかと言われると、練習なしでは難しいと思う。
IELTSの試験では、どれだけ難しい単語を覚えているかを問う英検一級の単語問題とは方向性が全くと言ってよいほど違う。
いかに豊富な情報を提供できるかが問われる、まさに 「能動的な英語力」が問われる試験なのだ。
これはライティングだけに限らず、IELTSのリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの全てで問われている力なのだ。
まとめ
- 英検準一級レベルの単語は必須
- 英検一級レベルの単語はIELTSに必須ではないが、情報収集を手助ける協力な武器になる
- IELTSで求められている英単語力とは、言い換える力と、トピックに関する幅広い語彙力である