洋書

洋書を読む

「本を読みなさい」

IELTSのWritingの授業の時に言われた一言だった。

冠詞の使い方が分からない、Writingが上手く書けない、そう思っていた時に先生にこう言われた。

そういわれてから、約2年経ち、今となっては、このアドバイスは正しくもあり、そして、説明が非常に不親切で不十分であったと思う。

ただ、IELTS関係なしに、本を読むことで知識の幅は広がったのは間違いない。

最初は非常に苦労した。

英語の勉強はそこそこしてはいたものの、英語の本を読むということに関してはあまり耐性がなかったからだ。

今まで何冊も本を読んでみようとはしたものの、非常に時間がかかってしまったり、単語が分からなくて、途中で何が書かれているか分からなくなってしまうことがあった。

今でも読むのは早くはない。

けど、何冊も読んでいるうちに、だんだんと内容が分かるようになってきた。

そして、「このアイディア、他の本でも出てきた内容だ」

と気が付くようになってきた。

Penguin books

自分が気に入っているシリーズで、Penguin booksというものがある。

ロンドンの本屋さん、Waterstonesに行くと、ペンギンのマークが付いた本が沢山並べられている。

日本だと、新宿の紀伊国屋や、名古屋の丸善や高島屋とかでも沢山並んでいる。

南ロンドンWandsworthに Southside Wandsworth というショッピングモールがあるのだが、そこに自分の一番のお気にいりのWaterstonesがあって、日本に帰国する前に、大量に本を仕入れた。

なぜ自分がこのブランドが好きかというと、

  • クオリティーの高い本が多い
  • IELTSのWritingに出てくるさまざまなテーマに関する良質な本を見つけることができる

からだ。

というのも、Penguin booksの多くの本は、ハードカバーでベストセラーになった本や、良い質の本をペーパーバックで出版しなおしているからだ。

私が、日本に居てもしっかりと英語の勉強ができると確信できたのは、インターネットの力と、このPenguin booksがあるからだ。

その中で、つい最近読んだ本、

「MINDWARE by Richard Nisbett」

に、IELTSに役立ちそうな内容があったので、紹介したい。

MINDWARE by Richard Nisbett

ちなみにだが、この本は日本語訳でも出版されているようだ。

(邦題 世界で最も美しい問題解決法:賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学)

本当に日本という国は便利な国だと思う。

今まで他のPenguin booksシリーズを何冊も読んできたが、ほとんどの本が邦訳されていることに後から気が付いた。

さて、この本の中で、IELTSに役立ちそうだなと思った内容というのは、

「欧米式の考え方と、東洋式の考え方の違い」だ。

詳しくは本書を是非読んでみて頂きたいのだが、簡単に言うとこんな感じだ。

欧米式の思考回路というのは、

  1. Aという人はお店からイチゴを盗んだ。
  2. 物を盗むのは悪い人がすることだ。
  3. だから、Aは悪い人だ。

というように、「何々だからこう」という、1つの筋を立てる考え方をする。

それに対して、東洋式の思考回路というのは、

  1. Aという人はお店からイチゴを盗んだ。
  2. たしかに物を盗むのは悪いひとがすることだ。
  3. けど、もしかしたら、Aは何日も何も食べていなくて、もうすぐ死にそうだったのかもしれない。
  4. もしかしたら、他にもなにか理由があったのかもしれない。

というように、筋を立てる訳ではないが、色々な可能性を考える。

ではこれの何がIELTSに関わっているかというと、

IELTS Writingで求められているのは、まさに欧米式の考え方であって、東洋式の考え方では点数がもらえないという点だ。

それが良く分かるのが、Writing の「Problem and Solution 型」の問題だ。

例えば、「世界では今も大量の石油が使われている。これはどんな問題を引き起こして、それに対してどんな対策ができるか」

という問題が出たとする。

ここで回答者が一番やってはいけないのは、

「沢山の問題点を挙げて列挙すること」だ。

残念ながら、日本人は1つの事柄に対して、色々な可能性を考えてしまう傾向が強いため、沢山の問題点を列記しがちである。

しかし、IELTSで求められているのは、欧米式の考え方であるため、

「一つの問題点を挙げて、なぜそれが問題なのか、そして何をどうすることが、その解決策になるのか」

を説明することで点数がもらえるのだ。

これはちゃんとIELTSの公式な採点基準、「Task response」や、「Coherence and Cohesion」にも明記されているポイントである。

IELTSのWriting が日本人にとって難しいのは当たり前で、そもそもの思考回路が文化的に違うのだ。

なので、Writingを上達させるポイントの一つは、

「内容を詳しく説明すること」

である。

ここで疑問に思うのが、ではどうやって物事を説明すればよいかということである。

これに関しては、別の記事で解説したいと思う。

まとめ

  • Penguin booksシリーズはおすすめ
  • 欧米式の考え方を学ぶ
  • Writing力向上のためには、論理的に説明する方法を学ぶべき
ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。