IELTS ライティングの採点基準に文法という項目があり、高得点を取るためには、複雑な文法を使う必要がある。
しかし、この複雑という意味を昔の自分は勘違いしていた。
例えば、複雑と言われると、一般的に言うと難しいといわれる文法を使わないといけないのかと思っていた。
そして、難しい文法さえ使えば、高得点をとれると思っていた。
しかし、実際は、むやみやたらに難しいといわれる文法を使うよりもはるかに大切なポイントがあるのだ。
そのポイントとは、冠詞をいかに正確に使えるかである。
冠詞が重要な訳
そもそも、ライティングにおいては、複雑な文を作ることも採点基準の一つではあるが、それと同時にどれだけ正確に文章を作成できるかも採点されている。
そして、IELTS writing で7.0 以上取るためには、ほとんどの文章でミスをしないことが条件となっている。
ゆうなれば、これは減点法で採点されているとも考えられるかもしれない。
なぜ、冠詞が大切かと言うと、文章を作るには名詞をいくつも使う必要があり、そのそれぞれの名詞にどの冠詞を使用するのが適切であるかが問われるからだ。
1つの文の中の一つの冠詞が間違っているだけでも、その1文にはミスがあると判定されてしまう。
なので、冠詞を間違えている間は、間違えの含まれない文章を作るというのはほぼ不可能に近く、いくら頑張っても 7.0 の壁を超えることはできない。
この冠詞という文法は、英語を学び始めて比較的初期の段階で出会う文法であるが、個人的にはこれが一番難しいと思っている。
原点にして頂点ともいえる存在。
なぜ難しいかというと、その使用パターンを理解するまで時間がかかってしまうからだ。
日本語には基本的には冠詞という概念はない。
なので、冠詞を使わなくても文章の大まかな意味は分かってしまうし、英語の文章を読む際も、特に冠詞に注意することはないと思う。
つまりは、見ているのに、見えていない存在であり、いくら英語を勉強しても、冠詞に特化して勉強をしないと身に着けることが難しいのだ。
例えば、
「簡単になになにする」の場合、「do something with ease」という表現が使える。
しかし、「彼女は彼が簡単にピアノを弾くのをうらやましく思う」で使う “ease” の場合は、「she envy of the great ease with which he play the piano」
と “the” を付ける必要がある。
同じ単語でも冠詞を付けていけないときがあれば、2つ目の例のように冠詞を付けなければ間違いとなるパターンもある。
このパターンをある程度身に着けることは十分可能であるのだが、それにはいくつか文献を読み込む必要がある。
冠詞を習得するのに必要なものとは
日本人の場合、冠詞を習得するのに一番有効と感じたのは、日本語で解説された冠詞本を何冊か読むことである。
冠詞を勉強する際、英語で書かれた教材はあまりお勧めではない。
書店に並んでいる、英語で書かれた有名な文法書や問題集を使ってみたものの、冠詞の使い方についていまいち不十分であると感じた。
それに対して、日本語で書かれた冠詞の解説本は、日本人独特の解釈ではあるものの、もともと冠詞が分からない民族が、冠詞を分かるために色々と調べた結果がまとめられていて、非常に役に立った。
残念ながら、どれか一つの本で全てカバーできるという本にいまだ出合ってはいないが、冠詞に関する本を数冊読むと、理解がかなり深まると思う。
そして、冠詞に対する理解が深まった段階で、実際に英語の文章を大量に読み込む。
その際に、まず最初は冠詞一つ一つに注意して、なぜその部分でその冠詞が使用されているのかを考えるのだ。
最初はとても骨の折れる作業であるのだが、なれてくるとなぜその冠詞がそこで使われているのか、すぐに理解できるようになる。
そして冠詞を理解するようにすると、より文章の内容が理解できることに気が付くと思う。
複雑な文法とは
冠詞をある程度マスターできた段階で、次に複雑な文法について考えればよい。
しかし、IELTSで求められる複雑な文法というのは、なにも難しい文法というわけではない。
じつは、二つ以上文がつながっていれば、複雑な文法としてカウントされるのだ。
もっと簡潔に表現すると、”and” を使うだけで、いとも簡単に複雑な文を作ることができるのだ。
例えば、
“I ate breakfast the morning.” と “I took a shower in the morning.” はそれぞれはとてもシンプルな英文である。
しかし、
“I ate breakfast and took a shower this morning.” とした途端に、複雑な文としてカウントされる。
もちろん、仮定法など、文法を勉強したことをアピールする文章を使用するのも悪いわけではない。
しかし、IELTS writingにおいては、無理に難しい文法を詰め込もうとする必要はない。
読者の事を考えて、論理的に文章を書こうとすれば、必然的に様々な文法を使うことになるし、その過程で仮定法が必要だと判断すれば使用すればよい。
全く関係ないのに、仮定法を使おうとすると、文脈が不自然になり、今度は”coherance” の採点項目で減点されてしまう。
読者の事を考えて、理解しやすいように、文章を論理的に、間違いなく書くことが、IELTS writing で求められる文法力なのだ。
まとめ
- IELTS writingの文法のコツは、冠詞をマスターすること
- 文法は、論理的な文章を書こうとすると、必然的に複雑なものを使わざるを得ない