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ロンドンでの生活費

ロンドンに住んでいる時にいつも気になって仕方なかったのが、

”月いくらで生活できるか”

だった。

ロンドンの街中に一歩でれば、日本では見たことのないお店や食べ物が沢山ならんでいる。

私が住んでいたHammersmith や High Street Kensington、Wandsworth Townの街にも、個人経営のおしゃれなパン屋さんや歴史を感じることができるパブ、オーガニック食品を集めたスーパーなどなど、人間の購買意欲を大いに刺激してくるお店がいたるところにあった。

なので、気を付けていないとあっという間にお金が飛んで行ってしまう。

毎月毎月資金繰りには頭を悩まされたのだが、毎月必ず必要となりそうなお金、”固定費”を計算したことで、”あとこれくらいは好きに使っても大丈夫” と計画を立てることができた。

今回は、私がロンドンに住んだ時のリアルな生活費について紹介したい。

結論として

  • 光熱費や税金の合計 £ 150/月~ £300/月
  • 最低限の食費や交通費の合計 £ 600/月

で、最低でも £750~£900/月は家賃を除く費用として見たほうが良いと思う。

以下その内訳について詳しく見ていきたい。

光熱費など

賃貸物件には、光熱費などの費用が賃料に含まれているタイプと、含まれていないタイプの2つがある。

自分がKensingtonで借りた物件は賃料の中に光熱費などが含まれていた(all bills included) ため、特に気にする必要はなかった。(ただし、ガスが止まったり、洗濯機がなかったり、インターネットが全く使い物にならなかったり、キッチンがまともに使えなかったりで、結局追加で生活費がかかってしまった。)

All bills includedの物件に住んでみて色々と不便なことがあったので、次に借りたHammersmithの物件は自分で電気会社やガス会社と契約を結ぶタイプのものを選んだ。

自分で契約する必要があるのは以下の6つで、

  • 水道
  • 電気
  • ガス
  • インターネット
  • 住民税(Council tax)
  • TV licence

好きな会社を選べる場合もあるし、既に会社が決まっている場合もある。

初めて自分で光熱費等の支払いの契約を結んだ時、何をしていいのかすら全く分からなかった。

ただ、それについては不動産屋に尋ねたところ、ちゃんと教えてくれた。

水道 (Thames Water)

水道はThames Water という会社と契約を結んだ。

自分の場合、入居してからしばらくすると、この水道会社から手紙が届いた。

案内通りにインターネットでアカウントを作って、自分のMonzoアカウントと連携(Direct Debitの設定)したところ、自動で料金が口座から引き落とされるようになった。

さて、このThames Waterだが、水道使用量の引き落としが始まったのは入居して4か月目からだった。

毎月£18ずつ引き落とされて、”いくら水をつかっても水道料金は定額なのか!”と浮かれていた。

これなら好きなだけ料理もできるし、シャワーも沢山浴びれるし、湯舟にも入れる!と大喜びしていたのだが、

この物件を退去した後に£129.2を一度に請求された。

おそらくだが、毎月の引き落としは£18だが、差額分はどこかしらのタイミング(例えば退去)に一度に請求される仕組みだったのだろう。

そんなの知らないし、(契約書に水道代引き落としについて記載があったかもしれないけど、そこまで詳しく読まないし)と驚いたが、払う他仕方がない。

この物件には合計9か月入居していたのだが、

£18×6か月+£129.2で

9か月の水道代の合計 £237.2 (1か月で£26) だった。

ただ、この9か月の料金は、2人分の水道代で、1人当たりだと、月£13程度だった。

その間は好きなだけ料理や洗濯をして、シャワーも1日に2回は浴びていたし、湯舟も週に1回程度で入れたと思うと、悪くないと思う。

電気 (Green Energy)

電気に関しては、Green Energyという会社と契約を結んだ。

入居した物件がこの会社をおすすめしていて、他の電力会社の事を知らなかったため、ここと契約した。

この会社の電気は太陽光や風力などの持続可能エネルギー100%の電力会社というところが面白い。

この会社も他と同じで、会社のウェブサイトから自分のアカウントを作成し、Direct Debit の設定をすれば自動で料金が引き落とされる。

支払いは翌月に請求されたので、グラフの値段は前の月の使用料を示している。

毎月の電気代は大体一人£25~£50の間だった。

これらを全て合計すると £518.34 だった。

電気代は月ごとで変動が激しかったのだが、理由としては

  • 月毎の電気コンロやオーブンの使用量の違い
  • 1月、2月、9月は自分が日本に帰国し滞在していなかったため1月分(2月請求分)は自分は支払っていない
  • 2月分(3月請求分)、9月分(10月請求分)はパートナーが使用した実質一人分の電気代

などだ。

また6月はパートナーが1か月留守だったため、6月の電気代(7月支払い分)は自分1人が使用した電気代だった。

これらの事情を加味して、2人で生活すると毎月 £80程度電気代の支払いが生じていただろうと思う。(1人£40/月)

毎日電気をつけて、電気コンロやオーブンで自炊を沢山し、洗濯機や食器洗浄乾燥機を使用していたのでこれくらいの値段は仕方がないのかなと思った。

ガス (Switch2)

キッチンやお風呂のお湯はガスを使用するのだが、ガスは “Switch2″と契約を結んだ。

パートナーが最初は料金支払いを管理してくれていて、その時はトップアップ(前払い)方式だった。

事前にいくらか入金し、残高分だけガスを利用できるという方式だ。

ただ、毎回課金するのが面倒だったのと、残高がなくなると突然ガスが使えなくなって辛いので、途中からは自分の口座で” Direct Debit”を設定した。

そのときの料金データが数か月だけ残っている。

ここには含まれていない1月から5月に関しては、毎日シャワーを浴びたり、たまに湯舟に使ったりしていたが、2人で平均して1日£1行くか行かないか位の料金だった。

冬になると湯舟に入る機会が増えるので、これらの支払い料金より高くなるかもしれないが、平均して2人で£30/月 (1人£15/月)位のつもりで特に問題はなかった。

インターネット(Hyperoptic)

インターネットはもともと導入されていた “Hyperoptic” という会社と契約した。

ラッキーなことに、入居得点として、1年間の使用料が無料だったため、自分達はインターネット代を支払わなかった。

新規で契約する場合、1物件£20~£30/月で高速インターネットを契約できる。

ただしインターネット会社によっては、最低1年契約を結ばないといけないところもあるため、注意が必要だ。

住民税(Council tax)

Council taxというのは日本の住民税のようなものなのだが、物件毎に支払いの義務が生じる。

物件毎に支払いの義務が生じるという考え方なので、自分がKensingtonの小さな部屋を借りていた時は家主のおじいちゃんがすでに支払ってくれていたので自分が支払う必要はなかった。

このCouncil Taxは物件のある地域、物件そのもののランク(普通の住宅か、高級な住宅か)を考慮し、いくつかのランク付けがされる。(Band A, Band Bなど)

そして、そのランクに従って税金を納める。

税金の納め先は、物件のある地区の自治体 (Council) になる。

このSovereign CourtはHammersmithにあったので、納め先は

“London Borough of Hammersmith & Fulham” だった。

自分の自治体のホームページに行き、自分のアカウントを作成する。

すると自分のページから住所を入力したり、Council taxの支払いについてのページがあるため、オンラインで支払いの設定ができる。

これも “Direct Debit”を設定することができ、自動で引き落としにすることが可能だ。

不明な点がある場合は電話で問い合わせた方が良いのと、大学に通う学生(語学学校生は不可)は納付免除になる可能性もあるので、まずは問い合わせてみるのが良い。

Council taxについて不思議だったのが、実際に収める税金は、自分の物件のランクの一つ下の金額だったということだ。

自分のこの物件はBand Fで、本来であればBand Fの金額(£1624)が請求されるはずなのに、実際の請求はBand E (£1374)を請求されたのだ。

実際の支払い記録はこんな感じだった。

Council Taxは何か月分かまとめて払う方法と、1か月ごとに支払う方法があり、”Direct debit”を設定すると1か月ごとに支払う方法を選択することが可能になる。

12月、1月の時点では数か月分まとめて支払い、5月からは月ごとの支払いに変更した。

この物件は9月に退去し、9月分の税金は10月に引き落とされたが、その後今まで支払った総額と本来支払うべき金額を自治体が計算してくれて、10月末に差額の£244.83が還付された。

Council taxに関しては、完全に住む場所によって変わってくるが、自分達の場合は

£1377.67 (council tax合計支払い額)÷9か月で

£153/月 (1人当たり£76/月)位だった。

TV Licence

これはテレビを見たり、ウェブ上で過去に放送された番組を見るのに必要なもので、これも各物件毎に契約するものである。

£155 (支払った料金)-£25.92 (還付分)で

9か月の合計が £129.08

月当たりで換算すると、£14.3/月 (1人当たり £7.1/月)

光熱費等の合計

以上をまとめると、

  • 9か月の水道代 £ 237.2
  • 電気代(自分が把握している分) £ 518.34
  • ガス代 (自分が把握している分) £ 76.61
  • インターネット         £0
  • Council tax   £ 1377.67
  • TV Licence £ 129.08

以上が大まかな9か月分の生活費となる。

電気代が仮に£80/月、ガス代が£30/月だったとすると、

  • 電気代   £80×9か月=£ 720
  • ガス代   £ 30×9か月=£ 270

となる。

電気代、ガス代がこれくらいかかっていたとすると

  • 9か月の水道代 £ 237.2
  • 9か月の電気代 £ 720
  • 9か月のガス代  £ 270
  • インターネット         £0
  • 9か月のCouncil tax   £ 1377.67
  • 9か月のTV Licence £ 129.08

を全部足し合わせて

9か月分の光熱費等(食費、雑費を除く)の合計は

£ 2733.95

9か月で1人当たり £ 1366.98 となるので、

ひと月当たり1人 £151位。

£1=150円とすると、

1人約2.2万円光熱費だけで毎月支出があった計算になる。

税金やら光熱費は物件を変えてもそこまで変動するものではないので、他の物件に住んだとしても平均して£150/月~£ 300/月位かかるとみておけばいいと思う。(1つの物件に1人で住んだ場合、council taxやTV Licence、インターネットなど全て1人で支払う必要がある)

生活費

家賃にお金をかけた分、日々の生活を工夫する必要があった。

どの生活費のどれくらい出費があったのか以下で提示したい。

Groceries (食材費)

目標は1日の食費を£10以内に抑えて、自炊をすることだった。

ちょっとオーバーしてしまった月もあるが、おおむねクリアできた。

1日£10だと、思いっきり贅沢をすることはできないものの、たまに家でお刺身を食べたり、ビールを飲んだりすることはできた。

Personal Care (本代、IELTS受験料)

Personal careのカテゴリーに入っているのは、ほとんどが本代だったり、IELTS受験料だった。

Shopping

服や雑貨などはここに入る。

3月はプリンターを買って、8月は日本に一時帰国する為に大量のお土産を買ったのでかなり高くなってしまった。

Eating out (外食)

基本的には自分は節約のために外食は控えていたが、たまに友達のお誘いを受けたり、旅行の時は外食をした。

ただ、外食は気を付けないとすぐにお金が無くなる。

ロンドンのパブでちょっとご飯を食べて、ビールを飲んだらすぐに£20なくなるし、レストランで食事をすれば、£50位すぐに飛んでいく。

月に2-3回気晴らしに外食すると自分の家計簿位になると思う。

Transport

自分は基本的にはバスしか使わないようにしていた。

地下鉄は便利だが、ちょくちょく使っているとかなりの出費になる。

バスは非常に時間がかかるが、自分は好きだったし、ロンドンの地理がよくわかるようになった。

5月はコッツウォルズまで旅行した鉄道代が含まれているので高いが、基本バスを週に何回か使うと1か月で最低でも£60位は交通費がかかる。

Entertainment

これは娯楽の費用が含まれる。

6月と8月は友達に誘われて、イギリスの中でも格式の高いRoyal Ascotでの競馬に行ったからだ。

特に8月のやつは入場料だけで£75もしたが、いい経験になった。

Bills (携帯代)

携帯代は£10/月のSIMカードのみのを使っていた。

月に3Gと60分の無料通話が付いてて、家ではwifiばかり使っていたので、これで十分だった。

Holiday (旅行)

5月にチーズ転がし祭りに行った時に宿泊した宿が1人1泊£50位した。

それ以外は1月~9月までの間で特に遠出はしていない。

食費などのまとめ

そこまで贅沢をせずになるべく出費を抑えようとしても、以下の金額は最低でもかかると思う。

  • 食材代 £ 300
  • 雑費 £ 50
  • 外食代 £ 150
  • 交通費 £ 60
  • 携帯代 £ 10

合計 £570なので、約£ 600/月位は毎月最低でも出費がある。

これくらいの出費の生活レベルとしては、

毎日£10以内の食材で自炊して、外食は多くても月に2~3回まで、移動は自分の足かバス、携帯は£10のSIMカードで、データは1か月に3ギガまで。

といった感じだ。

これに加えて、たまに旅行に行ったり、イベントに参加したり、お土産を買ったりするとさらに資金が必要になる。

家賃以外での出費はいくらくらいか

家賃以外の光熱費や食費などは、どんな物件に住むかはあまり大差はなく、むしろその人の生活スタイル次第だと思う。

自分の場合、

  • 光熱費や税金の合計 £ 150/月~ £300/月
  • 最低限の食費や交通費の合計 £ 600/月

であり、合計すると £ 750/月~£ 900/月位は最低でも出費があった。

これにお土産代や旅行代、娯楽費が加わり、家賃も支払うという感じだった。

かなり頑張っても£750/月位は簡単に出費してしまう。

なので、予算があらかじめ決まっている人は、

毎月の予算から£ 750~£ 900を引いた額の範囲内の家賃で物件を探すのが良いと思う。

まとめ

  • 光熱費や税金の合計 £ 150/月~ £300/月
  • 最低限の食費や交通費の合計 £ 600/月
ABOUT ME
あきふね
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。 10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。 ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。 美容皮膚科医。 イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。