片頭痛(migraine) の治療のこれまで
片頭痛の治療法には薬によるものだったり、運動習慣や生活習慣を変えたりなど色々とあります。
薬としては、市販薬のバファリン®やロキソニン®が有名でしょうか?
実は2021年に「頭痛の診療ガイドライン 2021」というものが日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修で出版されていて、片頭痛の治療についても詳しく書かれています。
その中には先述したバファリン®、ロキソニン®等の他にも、エルゴタミン、トリプタン、漢方などの治療が記載されています。私が頭痛の時に内服するエルゴタミンという薬は良く効く印象ですし、トリプタンという薬も非常に有効です。
既に効く薬があるなら新薬はいらないじゃないかと思うかもしれませんが、実はこれまでの薬にはいくつか使いにくい点がありました。
市販薬じゃ良くならない片頭痛
残念ながら、市販の頭痛薬じゃ片頭痛は全然良くならないことがあります。自分もそうでした。
片頭痛がきそうだなと思って”早めのバファリン®”を飲んでみたり、ロキソニン®を飲んでみたり、アセトアミノフェン(カロナール®)を1000mg一気に飲んだり(本気で痛みを抑える時は、病院ではこれくらいの用量で処方します。ただし一日最大で合計4000mgまで。肝障害に注意)、漢方の五苓散(ごれいさん)や呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を飲んでみたり、色々と試してみました。
しかし、ダメでした。結局頭は痛いままだし、吐き気もしてくるしで、仕事どころではありません。
結局私の場合はクリニックを受診し、エルゴタミンという処方薬を現在使用しています。
副作用が心配
実は、片頭痛に有効とされるエルゴタミンやトリプタンには、厄介な副作用があります。
これらの薬には血管を収縮させる作用があり、脳や心臓の血管に障害がある人には使うことができないのです。
血管を収縮させるということは、脳梗塞(脳の血管が詰まってしまう)や狭心症(心臓に血が足りなくなって、胸が痛くなる)、心筋梗塞を引き起こす原因となってしまう可能性があります。
人間の生命をつかさどる脳と心臓に重大な悪影響が出る可能性があり、気軽にホイホイと出せる薬ではありません。
また市販の頭痛薬(ロキソニン®やバファリン®を含むNISADsという分類の薬)は胃潰瘍の原因となる可能性があります。繰り返し起こる片頭痛に対して頻繁に内服を繰り返すことで、胃潰瘍のリスクが高まる恐れがあります。
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