てんかんの例
最近でも、ニュースになりました。
全国的に医薬品の供給が不安定になり、てんかんの治療薬を変更する必要がでてきました。しかし、変更と言っても、先発医薬品をジェネリック医薬品に変えるだけで、主成分自体やその濃度は変わりないのです。
なので、基本的には “同じ薬” のはずです。しかし、ダメなのです。
ジェネリックに変えたことにより、てんかん発作のコントロールが悪化したという報告が出ているのです。主成分自体は同じでも、その他添加物の影響で薬の効果が変わるという報告は意外に多いです。
外用薬の例
ジェネリックでも効果が違う一例としてステロイドの外用薬(アトピー性皮膚炎などの治療薬)があります。
同じ主成分のステロイドでも、先発品と後発品で効果の違いが指摘されていますが、その理由として薬の中に溶けている主成分の濃度に違いがあるからです。
また他の塗り薬にアシクロビルクリーム(ヘルペスの治療薬)というものがありますが、これも先発品と後発品で皮膚透過量(皮膚に薬が行きわたる能力)に大きな違いがみられます。
ジェネリック医薬品が絶対にダメというわけではありませんし、ジェネリックに変えることでコントロールが絶対に悪くなるというわけではありません。
しかし、我々医者は薬を変えることで効果が変わる可能性があるということを常に頭の片隅に入れています。
次のページで新しい薬は全て良いのか、どのタイミングで薬を切り替えるのかについて解説します。