②ライセンス (License)
次にライセンス (License) についてです。
ここでまずは不動産の話をしたいと思います。
不動産における永遠のテーマの中に、“持ち家か賃貸か”があると思います。
持ち家の場合、一括で購入する場合に必要なお金はかなりかかりますが、その家は全て自分の物になります。
逆に、賃貸で部屋を借りる場合、毎月の家賃は家を一括で購入するのに比べたらはるかに少ないですが、いくら払ってもその部屋は自分のものにはなりません。
実は製薬における特許権についても同じことが言えます。
特許権は一部を売買することもできるし(持ち家)、特許権は自分で持ったまま、その使用を他人に許可すること(賃貸)こともできます。
この、特許権の使用を他人に許可する時に出てくるのがライセンス (License) です。
例えば、ある大手製薬会社Aがある薬を作りたいと思ったとします。
しかしその薬を作るのに必要なDNA組み換え技術の特許権を、製薬会社Aは持っていません。
そこで、製薬会社Aは必要なDNA組み換え技術を持つB大学にアプローチします。
すると、B大学はDNA組み換え技術の使用を製薬会社Aに許可して(ライセンスとして特許権の使用許可を与える)、その代わりに製薬会社Aが作った薬の売り上げの一部をもらうということができます。
つまり、B大学は特許権を持ったまま(家主)、それを製薬会社A(借主)に貸して、その対価としてお金(家賃)を手に入れることができます。
ここでB大学が製薬会社Aからもらったお金、または受け取る権利のことをロイヤリティ (Royalty)と呼びます。
次のページではロイヤルティについて解説します。